2025年9月2日(火)大阪・関西万博日本館訪問記の続きです。

 

ファームエリアに入りました。

 

 

いのちといのちの間を見つめる砂時計。

 

 

ここでプラントエリアからやって来た、5種類のベアブリックたちと再会。暗い空間の壁や床を動き回っています。

 

 

彼らの名前は、水、熱、電気、二酸化炭素、養分(窒素・リン)。これらの物質やエネルギーは、他の物質との組み合わせによって、多様な素材に生まれ変わります。

 

 

これまで、素材を生み出すものづくりの主役は「化学」を用いるものでした。そんなものづくりのありかたを変え、未来の社会の姿も変えるかもしれない存在として注目されているのが「微生物」。とくに、生産のはたらきを持つ微生物です。

 

 

「放線菌」「担子菌」「水素酸化細菌」「微細藻類」。何やら難しく聞こえる名前ですが、日々の暮らしの中で既に活躍している微生物たちです。例えば放線菌。医薬品として活用されている抗生物質の約3分の2は、放線菌由来の物質から作られています。

 

 

担子菌は「代替肉」として注目の存在。菌糸体が繊維状で、お肉に近い食感があり、栄養面・環境面などでも優れているため、世界中で製品化に向けた研究が進んでいます。

 

 

ものづくりの現場では、石油など化石資源を使用することが多く、それらを燃焼させる過程で、二酸化炭素が排出されてしまいます。微生物が二酸化炭素から生成する素材などを利用すれば、資源が枯渇する心配がなく、二酸化炭素の増加も抑えられます。

 

 

こうした生物を活用したものづくりが「バイオものづくり」。とりわけ、カーボンニュートラル社会を目指して二酸化炭素の排出を抑制する新たな技術の分野では、世界をリードする技術が日本から生まれています。

 

 

たとえば「CO(一酸化炭素)資化菌」は、二酸化炭素から変換できる一酸化炭素をもとに物質を作る性質がある微生物。生ごみ処理施設から出る二酸化炭素を生かした実用化が進行中です。

 

 

このバイオものづくりの場で活躍する存在に「水素」もあります。二酸化炭素を活用した水素酸化細菌や一酸化炭素資化菌によるものづくりにも欠かせない水素は、環境にやさしい方法で作ることができる物質。5種類のベアリックに加わる第6の仲間です。

 

 

日本館のシンボルマークと「Japan Pavilion」という文字の入った緑色の大きなボンベ。その中には、生ごみを微生物が分解する過程で発生した二酸化炭素が濃縮され、詰められています。

 

 

 

隣に展示されるのは、二酸化炭素を原料として作られた「生分解性プラスチック」の器。生ごみから二酸化炭素、二酸化炭素から素材へ。役目を終えたら再び自然に戻っていく。そのリレーの中継点に、微生物がいます。

 

 

その微生物の名は「水素酸化細菌」。なんと、「二酸化炭素を食べる」という特徴を持っています。

 

 

二酸化炭素を養分として取り込むことで、体内に素材のもととなる成分を作るという性質を利用して作られる生分解性プラスチックは、「生産」「分解」の両面で環境にやさしいのが特長。

 

 

日本のメーカーが自社工場の土から見つけた菌を改良した新技術で、従来は難しかった海水の中での生分解ができるようになりました。展示の器に使われているのは、その最先端の素材です。

 

 

展示の解説が難しいので今日はここまで。「水」から「素材」へ。ファームエリアの展示はまだまだ続きます。