築土構木 | 散策日記Ⅰ

散策日記Ⅰ

美術館&博物館で開催された展覧会の記録、それにまつわる散策記です。

東山キューブで「村上隆 もののけ京都」を見た後は、ザ・トライアングルへ移動。「川田かわた知志さとし 築土構木」を見ました。

 

 

以下の文章は、展示パネルからの引用です。

 

川田知志(1987~)は、伝統的なフレスコ画の技法を用いながら、都市や郊外の均質化した景観にある、その地域に特徴的な要素を題材として作品を制作する美術家です。

 


本展の制作にあたり、川田は郊外の景観を形づくる土木技術を手掛かりにリサーチしました。

 

 

そこで、郊外にはアノニマス(集合的)な人工物と自然の共存、あるいはせめぎ合いによって構成される、観光名所などとは対極の、しかし誰もが思い浮かべ得る現代日本の典型的な景観が広がっている事に気づきます。

 

 

こうした郊外をモチーフとし、本展では色とりどりの造形を地上と地下の展示空間全体に展開しました。

 

 

地上では、壁面の表層を移し替える技法「ストラッポ」を用いて布地に移した壁画が、3面のガラス面を覆うように展示され、その両面から見ることができます。

 

 

地下の展示室では、地上と同じ下絵を用いながらも、漆喰を支持体に異なる色彩で描かれます。同じイメージの反復は、幹線道路沿いにチェーン店や緑地が繰り返される典型的な郊外の景観を意識させます。

 

 

さらに会期の最後には、地下の壁面もストラッポ技法により剝ぎ取られ、展示室は元の状態に戻りました。

 

 

話は変わって、こちらは京都市立芸術大学新キャンパスC棟6階の廊下にある壁画です。

 

 

こちらも川田氏の作品で、もともと旧キャンパス学長室にあった壁画を剝し、新キャンパスに移設したとの事。

 

 

南国の楽園を連想させる壁画。よく見ると、一部剥がれていて移設の跡が分かります。

 

 

壁画より、壁画の移設作業に興味をそそられました。