盆明けは仕事が立て込み、更新が滞りました。8月1日(金)京セラ美術館訪問記です。
「村上隆もののけ京都」を見に行きました。すみません。会期は既に終わっています。
まず始めに、村上隆(1962~)から展覧会を見るにあたっての注意書き。とても見づらい文章ですが、要約すると「過去・現在・未来を京都に絡めての展覧会にしてくれ」という美術館の要望に応え、約160点もの新作を制作しなければならず、一部未完のものがあるとの事。大規模美術館で個展を開く大変さが伝わってきました。
それでは展覧会の内容です。以下の文章は、展示パネルから引用しました。
1 もののけ洛中洛外図
洛中洛外図 岩佐又兵衛rip
京都の市中とその周辺を俯瞰するように描かれた「洛中洛外図」は、室町時代末期から江戸時代にかけて数多く制作されました。村上隆による現代版は、17世紀の岩佐又兵衛による屏風絵《洛中洛外図(舟木本)》をもとに、画像のスキャンをAIで線画化し、それを再度、人の手で描き直すという複雑な工程を経ることで、新たなイメージを生み出しています。
緻密に描かれた画面を細かく見ると、金箔の雲の代わりに無数のドクロが京都の町を覆い、生と死の距離が今よりもずっと近かった近世の「京都」の空気を現代に蘇らせているかのようです。
ここでまた《岩佐又兵衛版 洛中洛外図》未完の言い訳。言わなければ分からないのに。最終日には外されたかな。
村上隆版 祇園祭礼図
毎年7月に京都で行われる祇園祭の様子を描いた《祇園祭礼図屏風(17世紀後半、細見美術館蔵)》をもとに制作され、7月から本展に登場した最新作。これも大型作品なので、部分的にしか撮影できませんでした。よく見ると、村上氏特有のアイコンが所々描き加えられています。
光琳シリーズ
華麗で洗練された画風の琳派を大成させた尾形光琳の描いた団扇をもとに、円形の絵画に仕上げたもの。金色の背景に、様式化された琳派流水と言われるせせらぎや花など、モチーフや構図は画面に忠実に描かれつつ、笑うお花が配されています。
《大仏オーパル》と《琳派のお花と抽象的図像》
《京都 光琳 もののけフラワー》
ここで「光琳ペインティング」を英語で「金箔の世界」と題した言い訳。「金箔と絵画の呼応し合う力の成り立ちを、日本のかわいい文化と合体させて再現しようと試みた」と説明しています。国際的にも有名な方なんですね。そういえば外国人観光客の団体も複数見かけました。
つづく