京都文化博物館で見たコスチュームジュエリー展の続きです。以下の文章は展示室のパネルから引用しました。
ユニークなコスチュームジュエリーたち
ダイヤモンドやエメラルドといった宝石を素材とする縛りがないコスチュームジュエリーは、自由自在に心の赴くままデザインをおこし、素材を指定して表現することができる。特に宝飾の歴史のないアメリカで、よりユニークで楽しい作品が誕生したことは想像に容易い。熟練した職人たちがヨーロッパから移住し作品制作に協力したことも忘れてはならない。
マックス・ポワネ
《クリップ》1938年頃
マルセル・ブーシュ
《クリップ "プッチネーラ(道化師)"》1940年
マルセル・ブーシュ
《クリップ "プッチネーラ(道化師)"》1940年
制作者不明
《クリップ "ペン先" モチーフ》1930年代
マルセル・ブーシュ
《ブローチ "カマキリ" モチーフ》1941年
コロ・クラフト
《ブローチ "コルヌコピア"》1944年
ビリー・ボーイ
《ブローチ》1959年
ケネス・ジェイ・レーン
《ブローチ "大鹿" モチーフ》1967年頃
マルセル・ブーシュ
《クリップ "マンダリン" モチーフ》1941年頃
コロ・クラフト
《ブローチ"ロックフィッシュ"モチーフ》1944年
ハー
《ブローチ"仏陀"モチーフ》1955年頃
ハー
《ブローチ"仏陀"モチーフ》1955年頃
制作者不明
《ブローチ"ドラゴン"モチーフ》1955年頃
ハー
《イヤリング、ブローチ"占い師"モチーフ》1955年頃
ハー
《ブローチ"水槽を持つジニー"モチーフ》1955年頃
制作者不明
《ブローチ"ガゼル"モチーフ》1944~45年
フランシスコ・レパッヘス
《ブローチ"女性の顔"モチーフ》1950年代
制作者不明
《ブローチ"ベルボーイ"モチーフ》1940年代
素材の多様性
コスチュームジュエリーの素材において、半貴石、メタル(銀、鉄、銅など)、木、貝殻など、いずれも天然に存在する素材であるのに対し、ガラス、プラスチックは我々人の手で作られた人工素材である。中でもプラスチックの発明がコスチュームジュエリーに与えた影響と可能性は計り知れない。
プラスチックの歴史は、バーミンガム出身のアレクサンダ―・パークスが1850年代後半にプラスチックを発明し、1862年のロンドン万国博覧会で合成象牙を世界に紹介し、銅メダルを獲得したことから広まった。
その後ベークライト、ガラリス、ルーサイトなどが発明され、1925年から30年にかけては欧米でアール・デコ時代のモダニズムと相まって、プラスチックジュエリーは一気にブレイクした。
プラスチック製のジュエリーは、デザインと製造法において究極の自由な選択がある。琥珀、翡翠、鼈甲、ラピスラズリ、象牙など表現は自由自在だ。光沢があり本物のような質感さえそなえている。
透明、半透明、不透明まで発色の幅は広く、極彩色の発色によりビビッドで魅力的なジュエリーが次々に誕生した。強度もあり、クリスタルガラスのようにカットや彫刻をすることも可能で、豪華に見え、軽量でしかも安価であった。
ショーケースの中には、個性的なアクセサリーがいっぱい。ここまで個性的だと、合わせる服を選ぶのも難しそう。
陶器
ガラリス
新聞紙
どんぐりの笠
黒檀
つげ
ジェット(木の化石)
フレンチジェット(ガラスビーズ)
ヴェネチアンビーズ
コンテリエ
アイボリー(象牙)
ルーサイト
ベークライト
セルロイド
マルカジット
貝
コーラル(珊瑚)
コスチュームジュエリーについてもっと知りたかったので、図録を買いました。シャネルの服がシンプルなのは、ジュエリーを引き立たせるためだったなど、いろいろ興味深いことが書かれています。
おわり