東福寺③(龍吟庵) | 散策日記Ⅰ

散策日記Ⅰ

美術館&博物館で開催された展覧会の記録、それにまつわる散策記です。

12月3日(日)東福寺訪問記、最終回です。

 

ここは東福寺の塔頭、龍吟庵りょうぎんあん

 

 

東福寺第3住持・大明だいみん国師、こと無関普門むかんふもん(1212〜1292)の住居跡です。

 

 

方丈庭園は昭和を代表する作庭家・重森しげもり三玲みれい(1896〜1975)の手による名園。3つの枯山水庭園は全て、昭和39年(1964)に作られました。

 

 

正面の南庭は、一木一草をも用いない簡素な白砂敷きで「無の庭」とも呼ばれています。

 

 

庭を区切る竹垣。それぞれに意味があるそう。

 

 

西庭は「龍の庭」。寺名の「龍吟庵」にちなみ、龍が海中から黒雲を得て昇天する姿を石組によって表現。

 

 

青石による龍頭を中央に配し、白砂は海を、黒砂は黒雲を。

 

 

そして竹垣は稲妻模様を表しています。

 

 

裏手に回って開山堂。

 

 

正面に足利義満(1358〜1408)筆の扁額「雲光」。堂内には、鎌倉時代の重要文化財・大明国師坐像が安置されています。

 

 

非公開エリアに大明国師の供養塔があるらしく、木の隙間からその先端が見えました。

 

 

簡素な竹垣。

 

 

東庭は「不離の庭」。方丈と庫裏を結ぶ渡廊下に面した長方形の庭園で、赤砂を敷いて中央に長石を臥せ、その前後に白黒の二石を配しています。

 

 

狼に襲撃されそうになった国師の身を、二頭の犬が守ったという、国師幼少の頃の故事にもとづいて作庭されたといいます。

 

 

方丈を一周して拝観は終わり。

 

 

東福寺の塔頭の中では最も格式が高いそうですが、意外にこぢんまりとしていて、大明国師の質素な生活を垣間見れました。

 

 

お庭も質素で、ツツジと紅葉以外は見どころがなさそう。春と秋の限定公開です。

 

 

龍吟庵を出て偃月橋えんげつきょうに差し掛かりました。今度は橋の天井に着目です。

 

 

ガイドさんのおっしゃる通り、天井に棟札があり、慶長8年(1603)竣工時の事が書かれていました。

 

 

3度目の訪問で気づいたのですが、日下門から臥雲橋がうんきょうまで結構距離があります。

 

 

臥雲橋からの紅葉もう一度見ました。

 

 

雨上がりの空。日中の紅葉より綺麗。閉門10分前なのに、通天橋つうてんきょうにも人がたくさんいます。

 


法堂の大涅槃図の序でに行った龍吟庵。美しい紅葉も見れて、充実した一日でした。

 

 

おわり