会期終了が迫っている展覧会の話。
今回は、京都国立近代美術館で見た 「美しかりし明治への旅 発見された日本の風景」を振り返ります。
外国人が見た明治の日本、外国人へ見せたかった明治の日本。絵なので美化されていると思いますが、モノクロ写真や時代劇とは違う趣がありました。
第0章 序 明治洋画史を眺める
最初に旅支度として、西洋洋画史を代表する巨匠たちの作品を見ました。
田村宗立《蒙古襲来図》
小山正太郎《秋景図》
黒田清輝《野辺》
第1章 明治の日本を行く
来日した西洋人画家たちが見た日本と、西洋の画技と「眼」を学んだ日本人画家たちが見つめ直した日本。国内外の画家たちの作品を通して、明治の日本(1868-1912)を旅します。
柳(高橋)源吉《芝増上寺》
ヘイン・ハイド《新宿十二社の桜》
磯部忠一《堀切菖蒲園》
五百城文哉《日光東照宮の神庫》
五百城文哉《日光東照宮陽明門》
五百城文哉《花嫁の行列》
アルフレッド・パーソンズ《日光中禅寺湖の宿》
五姓田義松《北陸・東海道御巡幸記録画 善光寺山門》
エーリヒ・キプス《鎌倉大仏》
ロバート・チャールズ・ゴフ《江の島》
コンスタンス・フレデリカ・ゴードン=カミング《富士山と箱根湖》
高橋勝蔵《伊豆下田》
アルフレッド・パーソンズ《富士山》
アルフレッド・イースト《さよなら》
ウォルター・ティンデル《ユダの木と清水寺》
チャールズ・ワーグマン《見物する人々》
吉田博《門前町》
ジョン・ヴァーレー・ジュニア《茶屋》
第2章 人々の暮らしを見る
来日した西洋人たちが興味深く見つめた日本人の様子。近代化・西洋化の中で消え去った生活の姿。特に子供が子守りをする姿は、外国人にとって驚愕だったそうです。
満谷国四郎《傘をさす子守の少女》
笠木治郎吉《提灯屋の店先》
チャールズ・エドウィン・フリップ《赤地蔵尊》
ハリー・ハンフリー・ムーア《駕龍舁》
本多錦吉郎《豊穣への道》
笠木治郎吉《牡蠣を採る少女》
笠木治郎吉《漁家の休憩》
第3章 花に満たされる
ガーデニングの本場ともいえる英国の人々をも驚かせた明治の日本における花の豊かさ、庭園や花畑の美しさ。現代の日本にも通じる景色になぜか安心感を覚えました。
エラ・デュ・ケイン《庭園の喫茶》
前川千帆《農家の庭》
大下藤次郎《竹林の白百合》
丸山晩霞《花咲く庭園》
展示作品246点は、全てあるコレクターが海外で発見し、収集したもの。中には留学生が小遣い稼ぎに描いた作品もあると思いますが、コレクターの名は公開した方が出どころがはっきりして、胡散臭さを拭いきれたのではないでしょうか?