138億光年 宇宙の旅② | 散策日記Ⅰ

散策日記Ⅰ

美術館&博物館で開催された展覧会の記録、それにまつわる散策記です。

先日の続き。

 

5.木星

 

 主に水素とヘリウムのガスで出来ていることから「巨大ガス惑星」と呼ばれている木星。明暗の縞模様は、赤道から極にかけて、東向きの風と西向きの風が交互に吹いて出来たものです。

 

 

 最大の特徴は、南半球にある「大赤斑(だいせきはん)」と呼ばれる巨大な渦模様。それだけで地球が丸ごと入ってしまうほどの大きさがあります。

 

 

 ジュノー探査機が木星の南極上空からとらえた俯瞰画像。直径が最大1000kmにも及ぶ巨大なサイクロンがいくつも写っています。

 

 

 こちらは「真珠の首飾り」とも呼ばれる8個の白い巨大嵐のうちの1つ。

 

 

 ジュノー探査機がとらえた北半球の雲の様子。

 

 

 こちらは木星の北極周辺を赤外線でとらえた画像。中央のサイクロンを取り囲んで直径4000〜4600kmのサイクロンが八角形状に並んでいます。

 

 

 こちらは木星の北極域に近い所で見られる幅6000kmほどの高気圧の渦。「NN-LRS-1」と呼ばれる嵐です。

 

 

 こちらはカッシーニ探査機が2001年1月に撮影した、木星最接近2日前の衛星イオの画像。すぐ近くにあるように見えますが、実際は35km離れているとか。

 

 

 こちらはボイジャー1号がとらえた衛星イオの噴火。イオは太陽系の中で最も火山活動が活発な天体です。

 

 

 こちらはガリレオ衛星の1つ、エウロパの表面の様子。表面の氷の下には海が存在していると見られ、褐色の所は地下の海から噴き出した物質ではないかと考えられています。


 

 

6.土星

 

 土星は30年近くかけて太陽の周りを公転する天体で、その間太陽光がリングに当たる角度は変化しています。

 

 

 それに伴い、土星本体に落ちるリングの影も細くなったり広くなったりし、また時期によって影が落ちる半球も異なります。

 

 

 こちらはカッシーニ探査機が2008年7月に撮影した土星。太陽の光がほぼ真横から当たる時期で、リングの影がほとんど落ちていません。

 

   

 リングの正体は主に氷でできた粒。大小さまざまな氷の粒が、土星の周囲を漂いながらリングを形成しています。

 

 

 こちらはカッシーニ探索機が撮影した土星の北極のジェット気流と巨大嵐。

 

 

 タイタンは土星で最大の衛星です。窒素を主成分とする分厚い大気で覆われていて、表面には液体のメタンやエタンから成る湖があります。

 

 

 タイタン上空はもやに覆われているため、宇宙空間から可視光でタイタンの地表を見ることは出来ません。

 

 

 エンケラドスも土星の衛星です。2005年に南極付近から水蒸気や氷の粒子などが噴き出していることが発見され、にわかに注目を集めるようになりました。

 

 

7.冥王星

 

 1992年以降、海王星以遠に続々と小さな天体が発見され、冥王星もエッジワース・カイパーベルトに存在する天体の一つとみなされるようになりました。そして2006年の国際天文学連合(IAU)の総会で、冥王星は「準惑星」というカテゴリーに分類されることになったのです。

 

 

 2006年の打ち上げから9年半の歳月をかけて、ニュー・ホライズンズ探索機は2015年に冥王星へ到達しました。

 

 

 こちらはニュー・ホライズンズ探索機がとらえた冥王星の全体像。ハート形の領域は、冥王星の発見者にちなんで「トンボー領域」と名付けられていて、その領域の左半分には、滑らかな氷原(スプートニク平原)が広がっています。

 

 

 スプートニク平原のクローズアップ。スプートニク平原では、窒素や一酸化炭素、メタンの氷が豊富に存在しています。

 

 

 ハッブル宇宙望遠鏡によって撮影された冥王星と衛星カロン。

 

 

 衛星カロンの表面には、溝のような地形が1000kmにわたり延びています。北極地域の暗い部分は、冥王星の大気に含まれるメタンが化学変化を起こしてできた物質が積もっているとみられています。

 

 

 今日はここまで。アートとして鑑賞したつもりがいつの間にか天文の話になってしまいました。次回は銀河系と銀河宇宙について投稿します。