ジブリの大博覧会 | 散策日記Ⅰ

散策日記Ⅰ

美術館&博物館で開催された展覧会の記録、それにまつわる散策記です。

 先日、神戸経済新聞の今年上半期ページビューランキングで、「兵庫県立美術館で『ジブリの大博覧会』スタジオジブリ30年の歩み凝縮」が1位に輝いた、という発表がありました。この大博覧会は、2015年の「愛・地球博記念公園(愛知)」を皮切りに日本各地を巡回中で、兵庫県立美術館では、4月7日(土)から7月1日(日)まで開催されました。

 

 開催期間中の兵庫県立美術館の来館者数は30万人を超えたそうです。私は6月1日(金)に行きましたが、ねこバスの写真撮影は30分待ちでした。親子での来館が多く、ジブリで育った世代が親になり、子供と一緒にジブリを見る時代になっているのを目の当たりにしました。


以下、スタジオジブリについて調べた内容です。

 

 スタジオジブリは、宮崎駿と高畑勲両映画監督のオリジナル長編アニメーション映画制作を目的に、設立された会社です。1985年、徳間書店の出資により設立されました。社名の名付け親は宮崎駿。第2次世界大戦中のイタリア空軍機の愛称から取ったと言われています。「(サハラ砂漠の熱風のように、空軍機ジブリのように)日本のアニメーション界に旋風を巻き起こしたい。」という想いを社名に託しました。

 

 「風の谷のナウシカ(1984)」は設立のきっかけになった作品で、スタジオジブリ初の作品は「天空の城ラピュタ(1986)」です。1988年公開の「となりのトトロ」でトトログッズが売れて会社のマークにもなりましたが、11.7億円と興行収益が伸びず、解散の危機を迎えました。しかし、翌年公開の「魔女の宅急便」で興行収益が43億円に跳ね上がり、危機を逃れました。

 

 その後、アニメーターを正社員雇用にし、動画研修生の制度を発足させ、定期的に新人採用を始めました。鈴木敏夫プロデューサーが徳間書店からスタジオジブリに移籍したのもこの時です。人件費高騰に伴い、興行収益を上げることが課題になり、1991年公開の「おもいでぽろぽろ」以降、広告宣伝に力を入れるようになりました。大博覧会の展示は大人向けでした。当時を振り返る広告やポスター、チラシなどの宣伝物を中心に、制作資料や企画書など3000点が展示されていました。

 

 2時間のアニメーション映画の制作費用は、30~40億円だと言われています。興行収益が100億円を超えた作品は、「もののけ姫(1997)」「千と千尋の神隠し(2001)」「ハウルの動く城(2004)」「崖の上のポニョ(2008)」「風立ちぬ(2013)」の5つ。50億円超が「紅の豚(1992)」「猫の恩返し(2002)」「ゲド戦記(2006)」「借りぐらしのアリエッティ(2010)」の4つ。採算が取れず、赤字が続いたようです。

 

 2014年公開の「思い出のマーニー」を最後に、スタジオジブリの制作部門を解散しました。その後、西村義明・米林宏昌などリストラされた社員たちはスタジオポノックを設立し、2017年夏に「メアリと魔女の花」を公開しました。それに対抗するかのように、宮崎駿映画監督は2013年の引退宣言を撤回。長編アニメーション映画制作のため、2017年秋から3年の契約社員を雇い、スタジオジブリは再出発しました。