グラグラボ(兵庫県南部地震) | 散策日記Ⅰ

散策日記Ⅰ

美術館&博物館で開催された展覧会の記録、それにまつわる散策記です。

 グラグラボで兵庫県南部地震について資料を読みました。1995年に起きたこの地震は、突然降って湧いてきたような災害で世間を驚かせましたが、事前に予測していた学者もいたようです。

 

 若狭湾、伊勢湾、大阪湾を結んだ三角形の地域は、藤田和夫博士により、「近畿三角帯」と名付けられました。近畿三角帯は、北東を柳ヶ瀬断層や養老断層帯、南を中央構造線と中央構造断層帯、北西を花折断層や有馬-高槻断層帯、六甲-淡路島断層帯で囲み、その内部に生駒断層や上町(うえまち)断層など南北に延びる逆断層が数多く分布しています。

 

 近畿地方に被害を与えた歴史地震は、紀伊半島・四国沖のプレート境界で起こる海溝型地震と、内陸で起こる内陸直下型地震に分けられています。

 海溝型地震が起こる前後の数10年間は、近畿・中部の活断層で多くの大地震が発生しています。しかし、六甲山地の南を走る六甲-淡路活断層系は歴史地震が少なく、地震空白域の一つでした。専門家は、この空白域で起きた1995年の兵庫県南部地震を、近畿地方で地震活動が活発になる時代の幕開けを告げるものだと認識しています。

 

 活断層は一定の間隔でくり返し地震を起こす性質があるため、最新地震後にそのくり返し間隔の半分以上の時間が過ぎた活断層は、近い将来に大地震を起こす危険性が高いと考えられています。1981年に松田時彦博士により、このような11の活断層が「要注意断層」と指摘されました。

 兵庫県南部地震は、要注意断層の1つであった「有馬-高槻・六甲-淡路島断層帯」の中の野島断層で起こったものです。