UCCコーヒー博物館(焙煎とブレンド) | 散策日記Ⅰ

散策日記Ⅰ

美術館&博物館で開催された展覧会の記録、それにまつわる散策記です。

 コーヒーの味を決定づける重要な要素は酸味と苦みで、焙煎度によって大きく変わります。一般的に浅炒りは酸味が強く、深炒りは苦みが強くなります。

 また、焙煎によって、コーヒー豆の色は淡い緑色から茶褐色、さらに黒褐色へと変化していきます。

 

 焙煎機には、直火を利用した直火式焙煎機と、熱風を利用した熱風式焙煎機、その中間に位置する半熱風式焙煎機があります。熱効率の悪い直火式と半熱風式は少量焙煎に、熱効率の良い熱風式は大量焙煎に向いています。

 

 焙煎機の燃料は、天然ガス、プロパンガス、白炭(備長炭等)、黒炭(通常の炭)、軽油が一般的に使われています。

 

 焙煎の前後にブレンドします。生豆の状態でブレンドし、一度に焙煎する「混合焙煎(プレミックス)」は、工程が単純です。種類ごとに焙煎して、その後ブレンドする「単品焙煎(アフターミックス)」は、コーヒー豆の特性を最大限に引き出すことが出来ます。

 

 ブレンドは、19世紀後半以降、大量生産とパッケージ販売が主流になっていく過程で発達した技術です。複数の産地の豆を組み合わせることにより、各産地の豊作・不作、それに伴う相場の変化、農園ごとに起こる品質のばらつきを調整し、商品の品質と価格を一定に保てるようになりました。

 

 個性・コク・後味。この3つの組み合わせにより、さまざまなブレンドができます。個性は基本の味で、最低3割、強く出したい場合は5割ほど配合します。コクが強いのはコロンビア系、コクが弱いのはキリマンジェロ。後味は余韻。深炒りのほうが余韻が長いそうです。

 

 焙煎したコーヒー豆を、専用のミルで挽いて粉にすることを「グラインド」といいます。粉にすると、コーヒーの成分をより効率よく抽出することができます。粉の粗さは、粗挽き・中挽き・中細挽き・細挽き・極細挽きの5段階に分けられます。

 

 ミルの歯もいろいろあります。上下の歯の間ですり潰す臼歯式や、ミキサーのようなプロペラ式は粗挽きに、歯車のように豆を切り刻むディスク式や、回転する2本のロールの間で豆を粉砕する大型ロール式は細挽きに適しています。三角錘状の臼歯式の歯で豆をすり潰すコーン式は万能です。

 

 グラインドには抽出器具に合わせた挽き方があります。一般的に、エスプレッソなど、粉とお湯の接触時間が短い器具では細かく、反対にバーコレーターやカフェプレスなど、接触時間が長い器具は粗く挽きます。

 

 ショップで博物館オリジナルのブレンドコーヒーを買いました。豆は中挽きで挽いてもらいました。挽いた時の匂いがすごくいいですね。コーヒーは濃いめに入れたためか、苦みとコクがあり、後味も長く残りました。