真如堂 | 散策日記Ⅰ

散策日記Ⅰ

美術館&博物館で開催された展覧会の記録、それにまつわる散策記です。

 金戒光明堂から5分ほど歩き、真如堂に着きました。天台宗の寺です。

 

 平安中期の984年、比叡山延暦寺の僧、戒算(かいさん)上人が、延暦寺の常行堂にあった阿弥陀如来像を、東三条院藤原詮子(ふじわらのせんし。一条天皇の母、藤原道長の姉)の離宮に移し、安置したのが始まりとされています。

 

建物を隠すように、もみじが生い茂っていました。もみじの名所として知られています。

 

本堂には阿弥陀如来立像が祀られています。

 

本堂から見た三重塔。早くも紅葉が色づいています。

 

池のほとりに祀られているのは赤崎弁才天です。次のような話が残っています。

 時は1519年。美作国の住人で善阿弥という念仏行者が、真如堂の堂供養の費用を工面するために、周防国赤崎弁才天の宝前で木食(五穀を一切食べずに修行すること)し、一心に祈念しました。すると、巨額の寄付を受け、無事に供養の儀式を行うことができました。その恩返しに同じ弁天を勧請して境内に祀りました。

 

本堂の裏庭が青々としていてとても綺麗でした。奥の建物は石薬師堂です。

 平安京遷都の頃、大地から光沢のある大きな石が沸出しました。それは蓬莱のつぼみに似ていました。そこで桓武天皇はその石の上に堂を建立し、石の頭で彫った薬師如来を安置しました。その後、宮中では数々の奇跡が起こったという言い伝えがあります。

 

石薬師堂の前にサンシュユの木が生えています。

 

サンシュユは、3月中旬に黄色い花が咲かせ、秋に実が赤くなるそうです。

 

もみじの通路を歩き、真如堂を出ました。