あべのハルカス美術館の後は六甲アイランドへ。
神戸ゆかりの美術館では、11月29日(日)まで「無言館 遺された絵画からのメッセージ」を開催中。
無言館は長野県上田市にある美術館で、戦争で亡くなった画学生たちの作品を収集・展示する施設。
館主の窪島誠一郎氏が、画家・野見山暁治氏の意志を受け継ぎ、遺族を全国各地に訪ねて作品を譲り受け、平成9年(1997)に開館したとの事。
絵のモチーフの大半は、画学生たちが愛した家族や恋人、故郷などの風景。大戦末期に20代で亡くなった人が多く、画家の卵たちの絵ゆえ、技術的には拙いものが多かったように思えます。
絵に添えられているのは、亡くなった年月と場所、死因が記されただけのプロフィール。絵の説明もなく、会場は重苦しい空気が漂っていました。
序でに見たのが、神戸ファッション美術館のデンマークデザイン展。こちらは既に終わっています。
デンマークはデザイン大国で、ハンス・ウェグナーやアルネ・ヤコブセンなど、デザイン史に名を刻む多くの巨匠を輩出しました。
ロイヤル・コペンハーゲンの磁気をはじめ、デンマーク・デザインの黄金期の名作家具、さらに現代の製品など約200点を展示。
機能性と美しさを兼ね備えたシンプルかつモダンなデザイン。かつてヨーロッパ諸国の多くが産業の近代化を進める中、デンマークは手仕事に重きを置き、職人技に裏打ちされた製品生産を大切にしてきたとか。
これはヴァレットチェアですが、何だか座り心地よりデザインを重視した感じ。小洒落たカフェとかにありそうな椅子です。
それから、コシノヒロコが神戸ファッション美術館の名誉館長に就任した事を記念して設けられた、KH FASHION BOX。
ここも年に数回展示を変えているのでしょうか?前見たものと違ったような。
いいなと思ったのは、「WORK#1171(2014)」
そして「WORK#1286(2014)白のファンタジー」。こちらは手が込んでいます。
エントランスの展示は、小川貴一郎氏のconfinement art。題名は「自粛創造の45日」です。
緊急事態宣言が発令された4月7日(火)から、解除になった5月21日(木)の45日間、毎日一つずつ作品を描き続けたとの事。
人との交流を断ち切り、芸術に没頭し、とても充実した日々だったそう。
本来ならパリでの生活を始めている予定だったのに、COVIDの影響で渡仏を延期せざるを得なくなったとか。
そんなエピソードもあり、このドアがドラえもんの「どこでもドア」に見えたのです。
美術館を出たら外は薄暮で、リバーモールはライトアップされていました。
今回の収穫は、神戸ファッション美術館で美味しいデンマーク・クッキーを買ったこと。容器はロイヤル・コペンハーゲン認定のもの。洗ってまた使おうと思っています。