アーモンド並木に沿って、せせらぎの水が流れています。
この水は下水を活性汚泥法により処理した水で、生物が住んでいます。飲み水ではありません。
活性汚泥法は、下水中の有機物を処理するため、酸素の補給と汚泥の返送により、活性汚泥(汚水を浄化する能力を持った微生物の塊)の量を維持し、活動させて水を浄化する方法です。
家庭で排出された汚水(トイレ・洗濯・風呂・台所などの排水)は、汚水管を通って沈砂池に流れます。
なお、大雨が降っても浸水しないように、雨水は雨水管という別の管を通って海へ放流します。
下水は下記の手順で処理されます。(参考文献:パンフレット「神戸の下水道」)
1.最初沈殿池
沈砂池から流れる下水。下水中の沈殿しやすい浮遊性の汚れを取る施設で、一部の汚れが沈殿して除去されます。上澄みは生物反応槽に流れます。
2.生物反応槽
最初沈殿池からの下水が流れる所です。沢山の微生物が働けるように返送汚泥(沈殿槽から生物反応槽へ返送されて循環する微生物)が加えられ、生物反応槽で一定の汚泥濃度が保持されます。
3.最終沈殿池
最終沈殿池では活性汚泥をゆっくり沈殿させ、上澄みのきれいな水を排出します。池の底にたまった泥は大半が生物反応槽に戻され(返送汚泥)、再び下水処理に利用されます。
最終沈殿池できれいになった水は、塩素混和池に流れ、その後海へ放流されます。
また、最初沈殿池で生物反応槽へ流れなかった汚泥や、最終沈殿池で生物反応槽に戻されなかった汚泥は、汚泥消化タンクに流れます。
消化タンクは体温ほどの温度に保たれています。1ヶ月経つと、有機物が二酸化炭素とメタンガスに分解されます。消化ガスと呼ばれ、タンクの中にたまります。
残った汚泥は濃さが半分になって臭いの少ない汚泥に変わり、トラックで汚泥焼却場へ運ばれます。