今回は社会人基礎力を構成する12の要素の3番目、「実行力」について考えます。「前に踏み出す力」を構成する要素を紐解いてみると、
1、自分からスタートして(主体性)
2、周囲の人も巻き込んで(働きかけ力)
3、そして実際に行動する(実行力)
今回はその「実行する力」の話です。話の流れから考えて、実行力は自分一人で行うというよりも、巻き込んだ周囲の人たちにも協力してもらいながら一緒に成し遂げようとする意味合いが有るように感じます。
実際にはどうか、社会人基礎力としての「実行力」について調べてみました。すると、「実行力とは、『目的を設定し確実に行動する力』を指します」と書かれていたんです。そのあと、受け身の姿勢で指示待ちではないという意味の言葉が続いていました。
それによると、「行動する」と言っても指示待ちでは主体性がありませんし、闇雲に動いたとしても効率は良くありません。まして、ムダな行動が多ければ良い結果に結びつく事も難しいでしょう。「実行力」という言葉が指す意味は、先ず自分で立てた目標がありますよね。それを達成しようとすれば、どうしても行動しなければなりません。その時に、知っている知識や情報、手持ちのスキルなどを駆使して取り組むことになります。当然ですが、目標を達成しようとすれば、どうしても困難な状況は出て来ます。しかしそこで諦めることなく、また失敗を恐れず、自分の経験なども活用して解決に向けた行動をする姿勢が必要です。目標の達成のために粘り強く取り組むこと、これが「社会人基礎力が求める『前に踏み出す力』で捉えた実行力」なんです。
じつはこれには続きがあって、実行力がある人に対して更なる向上を目指すことを暗に求めているんですね。この続きが「社会人基礎力」としての文言に有るのか無いのか分かりませんが、ただ、どの企業であってもこれくらいの人物が欲しい、こんな人材になって活躍してくれ、そんな願いがあるのでしょう。続きの文言は複数のサイトで同じでしたので、経済産業省の側にも決まった文言があるのかもしれませんね。
こんなことが複数のサイトで書かれていました。「目標達成後もさらに高い目標を設定して行動するほか、たとえ失敗したとしても『次回こそは達成する』と、あきらめずに取り組むことができます」と。期待しているんですね。更なる次の目標、これもまた主体性を生かして自分で決めろということのようです。そして、それを解決するためにするために実行力を発揮して欲しいという事を求めているかのような気がしますが、どうでしょうか。
加えて、「社会人基礎力」の要素である「実行力」には、どうやら「目的の明確化」や「PDCAサイクル(計画・実行・評価・改善)」の意識がどうしても必要なようですね。少しまとめてみます。
実行力が求める内容とその特徴
・計画とセットにして捉える
実行するにあたって、闇雲に行動を起こしても意味がありません。効果的に解決を目指すならば、最初に計画を立ててから行った方が良いのは明らかですよね。そのために「目標に向けて適切な行動計画(アクションプラン)を立てて進める力」が必要になります。これが無ければ解決は望めません。
・継続力と粘り強さ
せっかく計画を立てて行動に移しても、それが途中で止まってしまえば解決には至りませんよね。ですから、とにかく一度動き出したのであれば失敗を恐れることなく挑戦を続けて行かなければなりません。そして最後までやり遂げる姿勢が求められます。
・状況に対応する力
最初に立てた計画が何の手直しも必要無く、トラブルも起きる事なく、最後まで進めて完了するという事など、あり得ません。少なくとも計画の進捗状況を管理し、必要に応じてトラブルの回避であったり状況に応じて計画を修正する柔軟な対応力が求められます。
・結果へのこだわり
目標を決めて、計画を立てて、状況に応じて臨機応変に判断して行動するわけですから、必要な事は「目標を達成する」ことですよね。そのためには、単に身体を動かすだけでは良い結果を出すことは出来ません。目標を達成するという結果にコミットすることが必要です。
最初からこのような資質がある人ならば良いのですが、多くの場合は現場で仕事をしながらこの能力を身につけていくことになるんじゃないでしょうか。担当する仕事にもよるでしょうし、仕事の環境や条件にもよるかもしれませんが、以下のことに注意を向けて仕事に取り組むというのはどうでしょうか。
実行力を高める方法として、いくつか挙げておきます。
先ずは「目標の細分化」です。最終的な目標をクリアしようと思ったら、「そのためには〇〇が出来ていないといけない」というように、その手前の段階で何かをクリアした状態が必要になる場合が多いと思います。そうなると、最終目標を達成しようとするならば、その手前の小さな各段階でもクリアしておかなければなりません。それらを順に処理していく、つまり実行しやすい具体的なタスクに落とし込む、そんな事が必要ですね。
また、最終目標を達成するための時間が無限にあるわけではありませんので、期限があるはずです。計画の中に時間の管理(タイムマネジメント)を組み込んで、目標を管理する必要があります。分かりやすいように、またチームで動いているのであればそのデータを共有できるように、カレンダーに落とし込む作業も必要です。
さて、せっかく立てた計画があるのですから、それに基づいた行動が必要ですよね。何か行動を起こす場合は、必ずといってよいほどPDCAサイクルの話が出て来ます。これ自体は1950年代に広まったと聞いています。世の中の変化もスピードを増していますので、そろそろ違った形での管理手法が必要になるかとも思うのですが・・・。この手法を用いるのであれば、徹底的に活用して、PDCAサイクルを回して、計画→行動→評価→改善を繰り返し、精度を上げていくことが必要です。
さて、これらを実際に行うのはすべて「ヒト」です。この「ヒト」がやる気をなくしてしまっては意味がありません。計画も頓挫しかねなくなります。身体とメンタルの健康管理は重要な意味を持ちます。メンタルの問題で人員が減って計画に支障を来す事のないようにするには、やはり健康面での管理も必須になるんじゃないかな。気力と体力を維持するためにも、これらに対しての配慮は必要ですね。
まだ働かせるのかと言いたい気もしますが、実行力がある人材(人財じゃないでしょうか)ならば自主的に考えて物事を前に進める能力に長けていますので、きっと職場や組織においては非常に重宝され、また頼りにされる存在になるでしょう。
参考までに、「実行力」について調べていると似たような言葉がいくつか出て来ました。比較してみましたので、載せておきます。
・実行力:目標に対して計画を立てて、結果に結びつける力(ゴール力)、計画力や準備力も必要、完遂することが重要
・行動力:計画があるか無いかに関わらず、とにかく行動を起こす力(スタート力)、フットワークの軽さが重要で、まずやってみるという姿勢が必要
・実践力:学んだ知識や理想、理論を実際の行動や現場に応用・体験する力、理論やノウハウを「使う」能力
・実効力:実際に効き目がある、または目的が達成できるような力、その行動によって「結果・効果」が得られることに焦点
