新しいことをする意味 | サポートライター みけ の独り言

サポートライター みけ の独り言

電子書籍のはなし、文章のはなし、ことばのはなし、書く事、話すこと、ゆめのたねで喋っていることなど、言葉にまつわるいろいろなことを中心に、書いてみたいと思っています。

 

人は誰でも、自分の行動や思考に一定のパターンがあるようです。それはその人の傾向やクセですからそれで構わないのですが、いつも同じ思考の傾向であれば時に思考停止のような状態になる可能性も出て来ます。また、同じような行動や思考をした挙句、いつもと似たような結果にしかならない、マンネリの状態にもなり易くなります。

そして、人は何かが変わるとか変化するとか、そういった事を好まないという傾向があるようですね。仕事などでもよく言われることですが、何か新しいことを始めようとすると、必ずといってよいほど反対意見やストップがかかると聞きます。その大半は「出来ない理由」をとうとうと述べて来るのですが、詰まるところ、新しい取り組みをしたくないと捉えられても仕方がないようなコメント(または文句)が残ります。

人にもよりますが、ある程度の年齢になるとこの傾向が余計に強くなることがあります。何を提案しても反対しかしない人は身の回りにいませんか。やった事が無いから反対という思いが根底にあるのでしょうけれども、出来るかどうかが分からないとか、リスクが大きすぎるとか、どこからそんな発想が出て来るのか不思議に思うくらい突飛なコメントが飛び出す事もあるようです。

結局、マンネリになると新たな発想が出難くなりますので、いつも同じような事しか出来なくなるんですよね。その打開策として、頻繁に何か新しいことに取り組んでみるなどの行為が推奨されるのだと思います。今迄にした事が無い何かに取り組んでみるとか、行った事が無い店に入ってみるとか、何か新しいことに挑戦してみる、普段と少しだけ違ったことをしてみる、皆さんもそんな行動を取ってみるのはいかがでしょうか。

新しい体験をするというのは、いざ自分がやってみるとなると、どうしても尻ごみしたくなるものだと思います。それでも、「一大決心をして腹をくくって」というような大げさなものでなくても、普段使う道の反対側の歩道を歩いてみるといった小さなことでも、びっくりするほどの体験が得られることもあるんです。これを、同じ道なんだから何も変わる筈がないとして捉えていては、変わらなければならなくなった時に飛んでもなく大きな事でもしないといけないんじゃないかと自分を追い込んでしまうかもしれません。

しかし、経験したことのない何かに取り組むというのは脳にとってとても良い刺激になるんですね。気になったので調べてみたのですが、新しい事や初めての体験をするということによって、自分の脳の中に今迄なかった神経のネットワークを作ろうと動き出すと言います。そして、それによって脳の神経細胞が増えるなどによって、脳が活性化されるのだそうです。これは当人が何歳だからというような年齢に関わるものではありません、何歳になっても脳の中で起きる事なんだそうです。

このような変化が起きるのは、脳に「可塑性」が有るためだと説明されています。可塑性というのは、物質が外部からの力を受けて変形した後、その変化を維持する性質のことを指すのだそうです。例えば、粘土や金属は可塑性が高いとされ、一度変形すると自分でひとりでに元に戻ることはありません。しかし、ゴムボールのように弾性を持つ場合は、変形しても元の形に戻る性質があります。こういった性質を指すのが「可塑性」なんですね。これを脳の可塑性の話に転用すると、「脳の可塑性とは、脳が経験や学習、損傷などに応じて、神経ネットワークを再構築する能力」という事になります。この働きがあるからこそ損傷した脳機能の回復もそうですが、新しいスキルの習得が可能になります。損傷の話で言えば、脳卒中などによって脳の傷ついた部分に代わって、別の部位が新たな役割を担うようになる、そんな現象も起こるんですね。

こういった可塑性によって神経ネットワークが新たに作られて、しかもその状態を維持し続けることで、脳の活性化というものが記憶力や集中力、判断力の向上につながり、脳の老化防止にも役立つわけです。また、新しいことを始めるときは、脳の特定領域が活性化され、ドーパミンが分泌されて意欲が高まるという事も分かっています。ドーパミンが分泌されるので、ワクワク、ドキドキすることがあるんですね。

脳にとっても良いのであれば、ちょっとした新しい体験をしないのは、むしろ損になるんじゃありませんか。

では、このような脳の可塑性を高めるにはどうすればよいのでしょうか。皆さんも見当がついているかと思いますが、新しい刺激を与えることによって何とかなりそうな気がしませんか? 例えば、趣味や社会的な交流、新しいことを体験してみるなどによって、様々な刺激を脳に与えることが重要です。その際には、なにも清水の舞台から飛び降りるような覚悟なんて必要ありません。「この店、初めてだわ」というような店に入って食事をするくらいもことでも構わないんです。よく「〇〇〇巡りが趣味」といった人に出会う事がありますが、こういった趣味を持っている人は新しい体験を頻繁にしているのかもしれませんね。

その他にも、可塑性によって新たに作り上げたネットワークを強いのもにしようと思ったら、例えば訓練や練習などのトレーニングを続ける事で強化していく事が出来ます。繰り返し練習する運動や学習も、スポーツのように体で覚えるといった事も、脳の可塑性を活性化させるのだとか。毎日同じことの練習を繰り返すのには、ちゃんと意味があったんですね。

新しいことが脳にとって良い刺激になることは分かりました。では、その他にも何かメリットはあるのでしょうか。

新しいことを始める場合、それを通して自分が成長する、視野が広がる、そんなメリットがあります。新たな人との縁が出来て繋がったり教えてもらったりすることで、他の人との交流の輪も広がります。その結果、繋がった縁で自分の人生を変えるきっかけになる場合が出て来るかもしれませんよ。

新たな人との出会いや、はじめてのコミュニティに参加することによって、いろいろな人を知ることになりますし、それに伴って人間関係も広がります。もともと新しいスキルや知識を身に付けたいといった願望が有っての行動ならば、他の人との交流を通して自分に自信が付いたり達成感を味わうことも出て来るでしょう。自己肯定感だって高まる事が期待できます。さらに、物事を前向きに捉えられるようになれば、言うことがありません。そんなメリットもあるんですね。