93、文章の法則 その4 QUESTの法則の4回目 | サポートライター みけ の独り言

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今回はQUESTの法則の話の4回目で、4番目の文字「S」を取り上げます。「S」はStimulateの頭文字を取っていて、多くの記事がここでは「興奮させる」という訳になっています。本来の意味は「刺激」なのですが、動詞として使うので「刺激する」という意味になります。そこから「興奮させる」につながるのですが、「励ます、元気づける、煽り立てる」といった意味にも発展していきます。

売り手はここまでいろいろとお悩み事について困っている相手に対してアプローチしてきました。予想したくない未来を想像させて、その問題を放置することのデメリットを知らしめたうえで、「この商品やサービスを扱っている私のところなら解決ができますよ」と伝えるところまで来ました。

これで相手は悩み事を解決するにあたっての「希望の光」を見出せたことになりますね。気持ちが「買ってみても良いかな」というように少し傾き始めたあたりでしょうか。もともと客の立場ですから、売りつけられることに警戒しながら、情報収集くらいの気持ちで寄って来ているでしょう。頭の隅に覚えてはいるけれども今日は何も考えずに寄ってみたというくらいの気持ちなら、「そう簡単には買わないぞ」という気持ちで来ているでしょうから、下手に押しまくっても逆効果なのは明らかです。

しかし、しっかりと手順を踏襲してこの辺りまで来れば最初は冷やかし客だったとしても、「買うことを検討してみていいかもしれない」と、少し気持ちが買う側に傾きかけてきている人も出て来るでしょう。そうすると、売る側はここで一気にたたみ掛けるようにして攻めてくるでしょう。この辺りは、見方によっては売り手と買い手の攻防戦が始まるように見えるかも知れません。

文章としては、ここでお悩み事が解決した明るい未来を見せてあげることが必要になってきます。そして、なぜそんな未来が手に入るかの説明もする必要があります。やみくもに売り込んでも相手は引いてしまうだけですから、どういった理由でその悩み事が解決できるのか、それによってどんな未来が予想できるのか、出来るだけ具体的に示すことが必要です。その根拠は説明のところで行った商品やサービスの特徴になります。

優れた特徴があるので、このようなお悩み事の解決に役立つと示すんですね。そうして相手の頭の中で実際に悩み事が解決したときの状況をイメージしてもらわなければなりません。それも、出来るだけ具体的に。そんな自分の未来の姿をイメージし易くするために、すでに利用して問題を解決出来た「お客様の声や感想」を示すのが常套手段になっています。

反対に、この商品やサービスを使わなければそのお悩み事が解決することはありません。それによるデメリットを示すことも必要です。人は利益よりも損失に敏感な傾向がありますので、ここでデメリットを示しておくことは「損をしたくない」という気持ちをかき立てることに役立ちます。

「S」は「Stimulate(興奮させる)」でしたが、捉えようによっては「Sell」だと書かれている記事もありましたので、大勢が決する辺りということなのでしょう。

その結果、「じゃあ、買ってね」となるわけですね。