84、文章の型 その12 ホールパート法 | サポートライター みけ の独り言

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電子書籍のはなし、文章のはなし、ことばのはなし、書く事、話すこと、ゆめのたねで喋っていることなど、言葉にまつわるいろいろなことを中心に、書いてみたいと思っています。

 

最初にこの名前を聞いた時、ヘンな名前だなと感じました。しかし、その由来を知って納得もしました。

 

 

 

ホールとは全体でパートは部分といった意味ですから、先ず全体像を理解してから各部分について考えた後、再度全体をまとめる、ホールパート法はそんな書き方という意味になります。

 

この書き方はプレゼンテーションのような場で用いられることが多い手法です。たしかに、このような順に説明をしてもらうと、聞き手は理解しやすいでしょう。聞きながら頭の中で情報を整理することも出来ますし、受ける側の条件と比較しながら考えることも出来ます。文章を書く上での型について考えていますが、コミュニケーションという観点ではさほど大きくは変わらないでしょう。

 

聞き手が分かりやすいという事は大きなメリットです。いきなり枝葉の部分から詳細な説明が始まっては、その先はどうでもいいやっていう気持ちになったりしませんか。そんな説明がどこまで続くのか分からない状況になってしまうわけですから、受ける側はイライラしてきます。その点でホールパート法は良く出来た型だと言えるでしょう。

 

メリットは他にもあります。短時間で必要なことを伝えることが出来ますし、結論を強調することも出来ます。ホールの部分は全体という意味ですが、同時に総括であり結論でもある部分です。

 

さらに加えると、短時間で~という点はとても大きなメリットです。時間をかけて詳細に説明するだけの余裕がある場合はそれでもよいでしょうし、受け手の側も時間がかかることを覚悟の上という場合もあるでしょうが、短時間でとなると予めまとめておく必要が出て来ます。それも、必要なことを網羅しながら、しかも端的に表現して余すところなく伝えなければなりません。

 

時間がある場合は、同じように結論を先に示す型で理由や具体例なども説明できるのでPREP方が向いていますが、短時間でとなると要点だけを示すホールパート法の型の方がスムーズに進められそうです。

 

また、同じように結論が最初と最後に出て来る型でSDS法がありましたが、こちらもそれぞれの詳細について説明をして相手に納得していただく時間を用意するので、やはり短時間では難しいでしょう。

 

この辺りは「この型を使うのだから、このような書き方にしなければ」といった明確な区別はどこまで必要でしょうか。組み合わせてみたり説明をする対象に応じて使え分ければよいと考えます。