2月19日
 
市川海老蔵さん、A.B.C-Zの
戸塚祥太さんが出演する
 
六本木歌舞伎2022
「青砥稿花紅彩画」よりハナゾチル
 
を観劇しました
 

 
 
 
パンフレット
 
※下記激しくネタバレしています
観劇予定がある方はお控えくださいませ
※自身の見解や感想を綴っています
 
 

「六本木歌舞伎」の初演は

「地球投五郎宇宙荒事」(2015)

 

第2弾「座頭市」第3弾「羅生門」

に継く

 

今回の第4弾「六本木歌舞伎2022」

の題材は「青砥稿花紅彩画」

 

日本屈指の盗賊「白浪五人男」

弁天小僧菊之助(海老蔵さん)

力丸

十三郎

利平

日本駄右衛門

の5人活躍が描かれた物語です

 

今回は「青砥稿花紅彩画」を軸に

戸塚さんが「タイムリープ」することで

現代と融合した新たなストーリーを

織りなしています

 

【ストーリー】

現代で「弁天小僧菊之助」を名乗り

窃盗を繰り返していた青年・戸塚さんが

菊之助の時代(江戸時代)へタイムリープ

 

その時代の戸塚さんは呉服店・浜松屋の

跡取り・宗之助として生きていましたが

実の跡取り息子は実は菊之助(海老蔵さん)

であったこと

そして宗之助(戸塚さん)は

盗賊「白浪五人男」のキーマン

日本駄右衛門の実子だったと判明

 

追手がかかった「白浪五人男」が

仲間を守るため戦いに奮闘する姿を

見た戸塚さんは

その時代の若者たちが持つ心構え

(ポテンシャル)を現代に持ち帰る

 

という物語だと解釈しました

 

【見どころ】

私的見どころは

 

歌舞伎界をリードする海老蔵さんの

迫力の演技と美しい所作

 

そして

歌舞伎の名作に新しい風を吹かせる

戸塚さんを起用した演出です

 

同じ「タイムリープ」でも

「東京リベンジャーズ」や

「君の名は」とは異なり

 

現代から江戸時代へ

タイムリープすることで

「命の繋がり」や「変わらない愛情」

という大きなテーマが

描かれていたと思います

 

そして歌舞伎とジャニーズの融合により

歌舞伎俳優陣の「とんぼ」

(宙返りの演技)や「殺陣」と

戸塚さんの「アクロバット」

この3つのアクティブな演出が揃い

華と迫力ある舞台に仕上がっていました

 

歌舞伎の音楽とロックを融合させた

ベースと和太鼓のハーモニーも心地よく

 

ストーリーもテンポ良く

展開されていくので歌舞伎をよく

理解していない私でも楽しめました

 

そして戸塚さんが戸塚さんのまま

役として与えられていることや

白塗りよりそのままのビジュアルで

活躍するシーンが多く

考え尽くされているなと思いました

 

 

【セトリ】

開場し中に入ると

数ヶ月前Jr.のライブに来ていた

同じ場所とは思えない空気感

演目でこれだけ変わるのかと驚きました

 

用意されていたセットは

「博物館の屋上」で

ビルが聳え立つ六本木の都会

 

幕が上がり客席のライトが落ちると

ビルの窓が点灯し夜の街に一変しました

 

和装を纏いベースを演奏するBOHさん

そして太鼓の辻勝さんが登場しセッション

 

下手からブルーのスカジャンに

黒のタイトパンツを纏った

戸塚さんが登場しました

 

シーン1

【博物館】

窃盗の容疑をかけられて博物館の屋上で

警察に追い込まれている戸塚さん

 

「また美術品が盗まれた」と話す

警察官8名が戸塚さんを探しまわります

 

警察官「江戸時代の「弁天小僧菊之助」

を名乗る窃盗犯!今夜こそ捕まえる」

 

戸塚さん「生きていても死んでいても

どっちでもいい。菊之助でもルパンでも

なんでもいい。生きていたって

面白いことなんて何もない。だから

窃盗をして洒落てみようと思っただけ」

 

パニクルーの動きでセット飛び越え

アクロバットで警察の攻撃を

かわしていく戸塚さん

 

遠くから聞こえてくる

「倅、来ればわかる、来いこい」

という謎の声に導かれて

博物館の屋上から飛び降りてしまいます

 

シーン2

【初瀬寺】

セットが変わり

美しい桜が満開の初瀬寺へ

 

美しい着物に纏った江戸時代の人々が

世間話をしながら歩いています

 

舞台は鎌倉の初瀬寺

小山判官を弔うため

娘の千寿姫が参詣に現れます

そこに十三郎が現れ

千寿姫が奉納した百両を盗もうとしますが

利平がその難儀を救います

 

しかし十三郎は利平の以前の主人で

利平は盗賊日本駄右衛門の手下

十三郎も日本駄右衛門一味に加わることに

 

そして博物館の屋上から飛び降りた

戸塚さんはタイムリープしてこの場所へ

スカジャン+タイトパンツの戸塚さんに

行き交う人々は気まずそうに微笑み

戸塚さんは桜の木の影に隠れます

 

そこに呉服店・浜松屋の店主が現れて

戸塚さんは自分の息子だと話し

浜松屋に連れて帰ります

 

ここで戸塚さんは当時の自分は

浜松屋の跡取り・宗之助として生きていた

ことに気づかされます

 

シーン3

【浜松屋見せ先】

舞台は鎌倉雪の下にある浜松屋の店内へ

店内の装飾も当時の再現度が高く

活気ある光景が美しく表されていました

 

店の人たちが慌ただしく働いていると

5着の着物を依頼した玉島と名乗る侍が

来店し店主が対応します

同時に二階堂信濃守の家臣の娘が

若党を連れて来店

店の人たちは有力客をもてなします

 

しかしその娘は女性に変装した菊之助で

連れの若党は力丸

2人は有力客に扮してゆすりを働きましたが

侍・玉島に見破られてしまいました

 

正体を見破られた菊之助が

「知らざぁ言って聞かせやしょう」

と女性から男性の姿へ戻るところ

所作も言動も言葉も一気に切り替える

海老蔵さんの演技が素晴らしかったです

 

シーン4

【浜松屋蔵前】

玉島に見破られてた菊之助と力丸は

浜松屋から逃げ出しますが

2人を見破った玉島こそが

賊徒の張本・日本駄右衛門

 

「白浪五人男」が浜松屋の全財産を

奪わおうと計画した芝居でした

 

ここで白塗り丁髷の店主の息子

宗之助になった戸塚さんが登場

スカジャンと同じ青の和装でした

 

ことの経緯が明らかになる中で

「取り違え」により店主の実子宗之助は

戸塚さんではなく菊之助であったこと

そして戸塚さんは日本駄右衛門の

実子だったことが判明

 

こうした中でも「白浪五人男」には

追手がかかり

鎌倉から落ち滅びることを決意します

 

シーン5

【稲瀬川勢揃】

 

幕が振り落とされると川音とともに現れた

稲瀬川の風景

桜と菜の花が綺麗に描かれています

 

追手から逃れて稲瀬川に集まった

「白浪五人男」は逃げている身なのに

浜松屋で調達したお揃いの(柄違い)

華やかな和装を纏い

「志ら浪」(泥棒という意味)と書かれた

同じ傘を持っています

 

お揃いの着物でも柄が違っていて

力強く話す言葉からもそれぞれの

人物像がしっかり表現されていました

 

傘も向きだけが違っていて

ここは解釈が追いつきませんでしたが

何か意図があったと思います

 

どうやって逃れてきたか

そしてもう逃げられないことを

述べていきますが

追手に見つかり取り囲まれると

「名を名乗り縄にかかろう」

一人づつ堂々と名乗りを上げて

打ちかかる追手を退けて

落ちて行きます

 

シーン6

【極楽寺】

極楽寺の後ろに六本木の夜景

江戸時代と現代が融合したセットです

 

菊之助と因縁があったことを知った

戸塚さんは

仲間のために自らの命をかけて戦う

「白浪五人男」に心を打たれ

現代に戻ります

 

最後の格闘シーンは見もの!

上段(江戸時代)では

菊之助が見事な「殺陣」で攻撃し

捕手は「とんぼ」で攻撃を受けます

 

下段(現在)では戸塚さんが

華麗な「アクロバット」で警察を交わし

 

潔く美しく「ハナゾチル」男の生き様が

表現されていました

 

最後は戦い抜いた戸塚さんの

立ち姿を目に焼き付けたところで

舞台は幕を下ろしたのですが

 

取り巻く因縁から盗賊となった

菊之助の「現在」はどんな姿だろう?

 

タイムリープして「白浪五人男」と出会い

現在社会に希望を見出した戸塚さんの

「その後」はどうなるんだろう?

とその先を想像させられました

 

カーテンコールは

全員スタオベで鳴り止まない拍手に

3回も幕が上がり

最後は客席の手拍子に合わせて

戸塚さんが「ハンドスプリング」を

披露してくれました!

 

終演後は海老蔵さん

客席の様子(後向きですが)も

アップしてくださるんですね

思い出になりました涙

 

伝統芸能を楽しむかたも

好きなキャストに逢いに行く若いかたも

幅広い世代が来場されていましたが

スタオベや手拍子を通して

場内でも一体感や繋がりを感じられた

あたたかい舞台でした

 

歌舞伎という未知の扉を開けてくれた

Jともさんに感謝です♡

 

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