梅一輪一輪ほどの暖かさ 嵐雪
梅の花が一輪ずつ咲いていく光景から、春が少しずつ近づいて来る喜びが伝わって来る。早春の冷たい空気の中に、春の訪れ、その小さい暖かみが誰にでも感じられる見事な俳句であると思う。
梅が香や一筋黒き雪解け道 田女
雪が解けて濡れた黒い道があらわになる。その道沿いに咲き始めた梅の花、その黒と白の対照性がたいへん印象的な句である。微かに匂う梅の香からも春の息吹が感じられるように思う。
余計なことだが、先週、この地区にも雪が降り五六センチは積もった。家の周りの雪かきをしたら翌日手足が痛くなった。たまに肉体労働をするからこんなことになる。妻から、すぐにとけるのだから無理してやることもないのにと叱られた。
梅咲いて月の広がる小庭かな 梅月女
なんとも絵画的な句ではないだろうか。夜、月光の下に梅の花が・・・その煌めく月光と白い凛とした梅の花。幻想的な夜の庭の光景が浮かび上がってくるようだ。
今日は四月の陽気だそうで、寒さに弱い私には有難い。ただ、これで春になるわけではなくまたすぐ寒くなるという予想も出ている。冬と春が、押し合いへし合いしながらだんだん春が近づいてくる。
少しピンクがかった蕾、梅にも多くの種類があるということか。