記憶に濃淡、印象に強弱、老人の思い出話
先日、かつての会社の同期会に出席した(去年、手術の後で欠席したので二年ぶりの出席)。八重洲の地下街のある酒場が会場。ところがその地下街で迷ってしまい右往左往、電話でメンバーの一人に来てもらってやっと会場へ。30分ほど遅刻した。出かける前に場所を何度も確認していったが、やはりボケがすすんでいるのか。 中に入ると、懐かしいメンバーが待っていた。皆、髪の毛が真白になっていたり、めっきり薄くなっている。なかには大阪、名古屋からやってきた者がいる。今回はなんと、鹿児島から何十年ぶりに顔を見せた仲間もいて、驚くやら感激するやら。昭和47年(54年前)入社した仲間だが、すでに8人が故人となっている。今回は17名出席した。 飲み放題の酒が効きだしたのか、あちこちで話が盛り上がる。ある者が私にこんなことを言う。「あんたが入社研修会の自己紹介でこんなことを話したのを覚えているぞ・・・」自分ではよく覚えていないが、言われてみれば微かに思い出す。懐かしいというよりいささか気恥ずかしい思いになる。ある者は、酔った勢いで「お前を見直したことがある」と昔のちょっとしたエピソードを挙げた。同じ同期の仲間で態度が大きく、横紙破り的な男でいて、皆から厄介者扱いされていた。ある酒の席だったか、私が「いい加減にしておけ!」と彼をこんこんと説得したというのだ。その男を諭すなんて誰もなかなかできないことだった。あの時、お前を見直した,と興奮気味に話す。当方にはほとんど記憶がないが、昨年、亡くなった囲碁仲間の一人にも以前同じことをきかされたことがあった。そんなことがあったけ・・・ぐらいの反応しかできなかった。 いずれにしても、思い出には各人各様軽重があり、記憶には濃淡が、さらには、人が抱く印象には強弱があることを痛感させられた。貴重な昔の仲間との思い出話であり、老人の集まりでもあった。