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  バラ色の人生というが、そのバラ色とはどんな色なのだろう。
 たぶん、ローズレッドすなわち鮮やかな赤を指すのだろう。ただ、バラの種類はおそらく何百種類、色の数だって何十もあるに違いない。現代では、不可能といわれた青い色のバラさえ登場しているのである。そんななかで、バラ色が鮮やかな赤を指すのは、古代まだ赤いバラしかなかった時代の名残であろう。
 クレオパトラが自らの宮殿にアントニウスを迎え入れたとき、宮殿全体をバラで飾り、廊下にはバラの花びらを厚く敷きつめたという。真紅のバラの絨毯とその芳香は、いかばかりであったろう。想像するだに陶然となってしまう。

 バラ色の人生といえば、エディット・ピアフの「ラ・ヴィ・アン・ローズ」というシャンソンを思い出さないわけにはいかない。

   ♪思わず目をふせてしまう そのまなざし
     微笑はその唇でふさがれる・・・
    
 恋の歓喜を歌ったものであろう。バラ色の人生は、恋ばかりではなく希望に満ちた世界の比喩でもある。
 わたしたちは、人生の歓喜を求めてあるいは過去の人生の歓喜をよすがとして、生きているようなところがある。だから、「ラ・ヴィ・アン・ローズ」という言葉が好まれて使われる。
 むしろ風俗に染まりやすい言葉かもしれない。バーや居酒屋、風俗店などの名前によくこの名前が使われていたような気がする。たしか、私が学生時代入り浸っていた喫茶店の名前もそうだった。

 人生がバラ色であったかなかったか、そんなことにかかわらずわたしたちは生きてきたし、これからも生きていく。ちょっとした悔恨と切なさ、ちょっとした希望を胸に抱いて。
 そして私はつぶやいてみる。Ce la vie。それが人生さ・・・・


     
    
             *写真は5月30日、生田緑地公園バラ園にて撮る