「ドールトンさんのお宅は部屋がひとつあまっているんですけど、そこには爬虫類用の水槽が
   おいてあるんですって-爬虫類をペットにしているんですってよ」
  「変わった人もいるものですね」
  「狂っているじゃないですか」
  「ちょっとなら、狂っているのも悪くありませんけどね。考えてごらんなさい。全然狂ったこと
   のない人なんて退屈なものですよ」

                         B・M・ギル『十二人目の陪審員』

   正常と異常のボーダーラインはいったいどこにあるのか。けっこう難問だ。
   今なら、爬虫類をペットにしていても、さほど狂っているとは思われまい。
   かって、『コレクター』という映画があった。若い女性を収集する話だった。これなどは
   明らかに異常、狂っていると言える。