「リポビタンD」50年間こだわり続けた味 流通形態も直販方式のまま | 外食・中食・内食情報発進!

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 大正製薬の栄養ドリンク剤「リポビタンD」が1962年の発売から今年で50周年を迎えた。栄養ドリンクの草分けとして、発売当初は高度経済成長期で高まる疲労回復ニーズに合致して人気を博し、その後も商品ラインアップの拡充やインパクトあるCM効果などで、栄養ドリンク剤市場で約4割のシェア(店頭小売価格ベース、シリーズ品を含む)を占める大ヒット商品に成長した。今後は若年層など新規ユーザーの獲得策などを強化し、将来に向けさらなる進化を目指す。

 「ファイト・一発!」のCMでお馴染みのリポビタンD。生体内で重要な働きをする含硫アミノ酸のタウリンを主成分に、肉体疲労の回復や滋養強壮用栄養ドリンク剤として多くの人たちに愛されてきた。子供向けの「リポビタンこども」やカフェインが気になる方にカフェインをゼロにした「リポビタンノンカフェ」などのシリーズ品を含めたこれまでの累計販売は340億本にのぼり、今までに製造した量は東京ドーム2.7杯分に相当する。現在でも年間6億本を生産、売上高は約700億円と同社全売上高の約4分1を占める。

 同社がタウリンの研究を始めたのは1940年頃。60年には、タウリンとビタミンを水に溶かしたアンプル液(ガラスの小瓶に入った服用薬)「リポビタン液」(20ミリリットル)を発売した。ただ、「当時のアンプル液は、量も少なく、味も苦くて飲みにくかった。もっと、量があって飲みやすい商品をと開発したのがリポビタンDです」(広報室)。

 発売当初からほとんど変わっていない味には大きなこだわりをもっており、社内に味覚の専門チームを編成しているほどだ。当時としては画期的商品だったとはいえ、牛乳が18円、ビールが115円の時代に、150円(100ミリリットル)で発売、それでも製造が間に合わないほど好調な売れ行きを見せた。「高度経済成長に入った頃で残業も多かったので、疲労回復という時代のニーズにマッチして販売を伸ばしていった」(同)。発売2年目となる63年からはプロ野球の巨人軍で活躍していた王貞治選手(当時)をCMに起用、知名度が一気に高まった。

 リポビタンDが、栄養ドリンク剤市場で不動の地位を獲得した要因は、味の良さや時代背景だけではない。独自の販売・営業活動も大きい。リポビタンDは冷やして飲むのが最もおいしい飲み方とされる。このため、薬局・薬店には独自開発した専用の冷蔵ストッカー(冷蔵ケース)も同時提供していたが、すぐには理解してもらえなかった。冷蔵ストッカーを導入した店が右肩あがりで売り上げを伸ばしていくにつれて導入が進み、最終的には冷やして飲みやすいドリンク剤という印象が定着した。冷蔵ストッカーも顧客の要望に応じて改良が重ねられ、過去には、4面ガラスで扉を開くと「ファイト・一発!」という音声が流れる音声ワイドストッカーもあった。現在は扉のないオープンタイプが主流である。

 流通形態も特徴的。メーカーから卸売、小売という一般的なルートではなく、直販方式を採用している。「全国の営業担当者が得意先に訪問し販促や商談をすることで、直接対話ができ、悩みや問題点の把握と対応が迅速にできる。これを50年やってきた」(同)

 薬局・薬店の声を具現化した一例が、通称“リポDタワー”だ。10本入りの箱を積み上げたタワーのことで、「たくさんの箱を保管する場所がない」という悩みを聞いた営業担当者の報告から生まれた。「そんなに高く積めない」「積み上げる場所がない」という声には、営業担当者がリポDタワーの底面の型紙を持参して、1店1店ていねいに説明し、次第に認知されるようになった。直販体制を支える約900人の営業担当者による地道な努力がそこにある。

 一方、99年の規制緩和によってそれまでの医薬品から医薬部外品に移行、スーパーマーケットやコンビニエンスストア、駅売店、自動販売機での販売が可能になり販売数量を押し上げた。さらに、63年に進出した海外販売も世界15カ国・地域にまで広がり、約64億円(2011年度、出荷ベース)を売り上げるまでに成長した。「海外については、販売地域を広げるよりも今進出している地域でのサンプリング等の販促実施などでさらに販売を強化していく」(同)

 発売50周年を迎え、同社は今年、次代を見据えた新たな取り組みを始めた。フェイスブックの開設やBS、CS放送の音楽やスポーツ番組向けに、「ファイト・一発!」という定番ではない新CMを放映している。若年層を中心とした新規ユーザーの獲得が狙いで、全国の主要な祭りやイベントでのキャンペーンも精力的に展開している。

 このほかにも、企業PRとCSR(企業の社会的責任)を兼ねてラグビー日本代表もサポート。「リポビタンDが広告等で表現している『努力・友情・勝利』が、ラグビーというスポーツの持つ精神性に通じることから、2001年に日本代表チームのオフィシャルスポンサーになった」(広報室)。以来、03年、07年、11年のワールドカップ出場をバックアップ、今年6月には、日本代表とフランスのプロ選抜チームによる親善試合の大会冠スポンサーも務めた。こうした活動を通して、今後もスポーツ文化の発展と青少年育成にも貢献していく。


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