YMacのブログ

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 ミノックスといえば私のような団塊界隈世代には「スパイカメラの」という修飾語が自然について回るメーカーだが、双眼鏡等の光学製品もラインナップを充実させているれっきとしたドイツの光学製品メーカーである。本機は、ソニーのデジタル双眼鏡(DEV-50V)について調べている過程で偶然見つけたもので、オークションで格安で新品が出ていたので、私にしては珍しく衝動買いしてしまった。口径25ミリで5倍という仕様が魅力的だったことは言うまでもない。BVシリーズはラインナップの底辺に位置する普及価格帯の製品であるが、それでも正価は2万円以上であるから安物ではない。

 

 

 

 VOLKSWAGEN DESIGNという本機は、本職のクルマと同じでよく言えば質実剛健、悪く言えば素っ気ない意匠であるが、アルミ製のボディは大きさの割に質量があり、焦点リングの操作感なども適度な粘りがあって高品質感を感じさせてくれる。質量といえば不思議なのは、これの上位機である8倍、10倍のモデルは共通サイズのボディを使用しているにもかかわらず、本機よりも60グラムも軽量であることだ。なぜ低倍率の本機のほうが重いのだろうか。低倍率のほうがプリズムが大型化するとか、同一鏡筒で低倍率を実現しようとしたレンズ設計の結果とか、いろいろ想像はできるが私は光学設計の専門家ではないので本当のところは分からない。そんなことが関係しているのかいないのか、本機は倍率5倍なのに視野角が7度しかないのも特徴である。一般的には9度くらいあってもおかしくないのだが、このあたりも不思議である。その代わり?アイレリーフは21ミリもあり、眼鏡族にはありがたい。本機の見口はよくできた節度感のあるツイストアップ式で、約4ミリ間隔で4段階に高さを調節できるのだが、私の場合は眼鏡をしていても最低位置から1段階上げた位置が最も見やすい。この状態で全視野にケラレが無いだけでなく、視線を左右に振ってもブラックアウトしないからとても覗きやすいのである。もちろんひとみ径が5ミリあることも効いているだろう。覗くのにストレスが少ない双眼鏡である。これならは7度という狭い視野も許せてしまう。天体用には不足な仕様かもしれないが、月や星団ならこれで見てもよい気がする。肝心の見栄味はもちろん悪かろうはずはなく、視野の隅々まで明るくシャープであり私には何の不満も感じられない。ただCFⅡ(ニコン)との比較では、明るさは意外にも同程度に見える。これがポロとダハの違いなのだろうか。なお本機も最短合焦距離が約1.5メートルであり、美術館等の薄暗い環境下ではBF-717よりも活躍してくれそうである。一方、無限遠に合わせてもさらに焦点リングを90度以上回すことができる。いろいろな意味で懐の深い双眼鏡である。

 

  日本オリジナルモデルであることを象徴する桜をモチーフとしたデザインの軸端キャップ。これを外せば市販の三脚アダプターを取り付けられる。本機を三脚に載せる必然性は少ないと思うが、おそらく上位機からのお下がりボディ故の仕様であろう。鏡筒内には迷光対策と思しき蛇腹状の加工が見える。