タクシーに手をあげて乗り込む。
「 高台寺 へ、行きたいんですが」
運転手
「 高台寺 ね 」
レイナ
「 そうです 」
あ…ぶなかっ…たァ…
自分で言おうとしなくて良かった…
一回じゃ言えないもん。って、いうほど異なるイントネーション。
正直のところ初めて聞いた。
こっ、…こ…こ…こう……
私は漢字で読んでそのまま言っている。
まさかこう変化するとは
今日いちばんドキドキした。
しばらく言えないというよりは、おそらく口も耳も違い、ネイティブ喋りは正確には無理だと思う。
呼吸が違う気がする
そして取材先の高台寺で、ひたすら写真を撮る撮る。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240411/01/ylreina/c8/ee/j/o1080060715424246914.jpg?caw=800)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240411/01/ylreina/f1/33/j/o1080060715424246933.jpg?caw=800)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240411/01/ylreina/61/f0/j/o1080060715424246957.jpg?caw=800)
何枚でも“見ていたい角度”があるような気がして、つい撮りますが、対象をよくよく見ることも大事ですね。
写真があればなぁ…と思うこともよくあるのに。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240411/01/ylreina/94/33/j/o1080060715424246977.jpg?caw=800)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240411/01/ylreina/f8/cf/j/o1080060715424246998.jpg?caw=800)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240411/01/ylreina/78/82/j/o1080060715424247012.jpg?caw=800)
時々、レースが付いていたりする着物姿の人や、羽織を着た和装カップルが通るので、一風変わった人なのだと思って道を譲っていました。
それが、どうもレンタルする外国人だと気づきました。近くに衣装店もあるようです。
着たいかしらねぇ、レース付きの着物。
なんでも体験ですね。
少し前までは、どれほどの高級品でも外人が着物の着方を知るわけなかったので。
ここまで日本に興味を持つ日が来るものですよ、ねぇ。
高台寺には、枝垂れ桜が一本あるのがどうやら有名ですが、私はひょいと見ただけでしたけど、咲いていない時のほうが、風情がありました。
高台寺を出てからしばらく下り坂になる前に、お茶屋さんがあり、休憩したかった私が思ったのは、あ〜あ、ここにおうどんもあればいいのになあ!
本場のうどん店を探して入るも大変そうで。…
そうしたらなんと、ありました。
皮入のゆず茶と、おぼろ昆布入うどんを頼みました。
よかった、これで夕食になるし!
関西系のおうどんなんて食べたことないし! おうどんがある、
「わあ、嬉しい」と呟いてしまいました。
何種類かあったのですが、
「じゃあ、お昆布で」と頼むと、
「おぼろ昆布(こんぶ)で」と
言い直されましてん。
こんぶ、とかなすび、かぶら、とか言う違いは沢山あるらしい。
「はいっ!(それです)」
と即座に言いましょう。力の限り言いましょうね。
門前でおうどんですねー
関東なら門前蕎麦かしらねー
もうどうでもよくなっている
おうどんはさすがに、最後まで麺の中心がちゃきちゃきしていたから、のびた冷凍とは違うのでしょう。
じっと見ちゃったのはこれ
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240411/02/ylreina/c3/92/j/o0607108015424254386.jpg?caw=800)
これは、…?
東京なら
「さっさと直せ」
という感覚ですね。京都の弁説ならば
もし人が後ろに転んだらどうなるのでしょうね。(訴訟になります)
簡潔な言い分のパンチの強さ、この貼紙自体がなぜか面白いです。
ちょっとにっこりしていたらもう 3時半過ぎ。
足だけでなく全身が限界です。
わらび餅は持ち帰れるようにしてもらいました。
思いがけず
「素敵なストールですね」
と言われまして
「寒くて今日、急遽買ったんです…」
でもレイナ着こなしてるから
似合ってる?
あらそうざます?
「寒いですねここは山ですからね…」
はあ。
高台寺は山がちです。昔の人はつくづく健脚で、そして寒かったろうと思いました。
山を降りて歩いて行くと、外人向けなのか、PIZZA…etc…のレストラン風休憩所がありました。
タクシーに乗ると、清水寺の方向は歩く人で混んでいる。聞いていた通りだ。
「ここ、清水寺から道通じてるんですわ。もう道が人でいっぱいでね」
「ああ外国客でね!」
「しかもその途中にホテル建ててますんで、地元の車はもうダメですわ」
「まあ!」
と調子を合わせたはずのレイナ、どうもタクシーの話にもあぶれたみたいです。
昔ねえ、伯母と一緒のときは、まるで先生のように詳しく京都の説明を話す運転手がいましたよ。
まだのんびりしていたのでしょう。
高台寺を下山するあたりから、ややはっきりしてきましたが、ここにも伯母と共に訪れていることを思い出していました。
三泊四日だったのに、京都の地理が頭に入っている伯母は、どれほど沢山の寺社を見せてくれたことでしょう。伯母はとても頭の良い人で超人でした。つくづくそれがわかりました。私を連れている責任感もあったのでしょう。
ひとりで見知らぬ所へ来たという感覚のない、緊急ミッションでした。
私は漠然とした大きな力に動かされなかったなら、動けなかった。
あとは帰り着かなければ。