決勝は第3シードのメドべデフ選手と第4シードのシナー選手の対戦となった。

 

結果は、大逆転でシナー選手がメドべデフ選手を降し、今大会初優勝を飾った。

 

シナー選手は、ここまで絶好調で、準決勝で第1シードのジョコビッチ選手を破り、

上り調子で決勝まで勝ち進んだ。

 

対するメドべデフ選手は、連日苦戦が続き、準決勝ではズべレフ選手に

フルセットの末、大逆転で勝利を掴んだが、決して楽ではなかった。

 

しかし決勝となれば、独特の雰囲気の中で闘うため、どうなるか予測ができない。

 

何度もグランドスラムの決勝戦を経験しているメドべデフ選手に対し、

シナー選手にとってグランドスラムの決勝は初めての経験で、かなり緊張を

しているはずだ。

 

そういった精神面をつくメドべデフ選手の作戦としては、序盤から主導権を握り、

一気に行きたいところだったのがうかがえる。

 

さらにメドべデフ選手は明らかに準決勝までとは違う作戦を練ってきた。

 

今まではエンドコートからかなり離れて位置で返球をしていたが、

この試合に関してはかなり前の位置に変え、速いタイミングの返球で攻撃的だった。

 

この作戦は功を奏し、第1セット、第2セット、メドべデフ選手の猛攻撃が炸裂し、

シナー選手を封じ込めた。

 

そしてこのままメドべデフ選手がストレートで勝利するかと思われた。

 

後が無くなったシナー選手は、第3セットを執念で取り返し、疲れが見始めた

メドべデフ選手を反撃し、第4セットも連取した。

 

明らかにメドべデフ選手は第2セットまでの精度は落ちはじめ、ミスも目立った。

 

そして序盤で見せていた作戦、前方で返球していた位置も、いつしか後方に

戻っていた。

 

ファイナルセットはメドべデフ選手も踏ん張ったが、シナー選手の

ポジティブな攻守にメドべデフ選手はついて行くことができず、ついに

シナー選手がメドべデフ選手を打ち破った。

 

これでシナー選手はグランドスラム初優勝を飾ったわけだが、まだ22歳と若い。

22歳にしては冷静で堂々としている上に、オフコートでも大人びている。

 

恐らく、これに終わることは無く、複数のタイトルを獲得するであろう。

 

そして、男子テニス界の新時代をリードする選手の一人となったと言えるだろう。