最近観た映画「PERFECT DAYS」

 

 

 

ヴィム・ヴェンダース監督、役所広司主演の映画。

 

この作品で役所広司はカンヌ国際映画祭で主演男優賞を獲得した。

 

 

感想

最近海外で高く評価される日本映画は、「ドライブマイカー」の様な

エンターテイメント性より特にストーリー性の無い作品が多いように感じる。

 

この作品もその一つで、特に感動したりエキサイトしたりといった感情に

訴えるものではなく、一人の主人公の日常を淡々と描いている。

 

主演の役所広司の演技も体当たりだとか感情豊かに熱演していたわけではない。

むしろその逆で、それを演じることのほうが難しいのかもしれない。

 

個人的に面白かったかと問われると疑問なのだが、嫌いな映画ではなかった。

 

現代のハイスピードの生活を避け、自分の世界を生きる中年男性。

ある意味、現在の日本を象徴しているように思える。

 

人とのコミュニケーションを全く拒絶しているわけではないが、極力

深入りをせず、競争を避け、無理に頑張ったり、華美に着飾ったり

見栄を張ったりすることなく、自分の興味があることのみ楽しみ、

慎ましく生きる。

 

イケイケドンドンだった高度経済成長期の日本とは違った時代に既に

なってきている感じがした。

 

その中で、この映画にはかつては普通に生活にあったものが、今の時代には

ほぼ無くなりつつあるもの(カセットテープや単行本、カメラ、フィルム、

銭湯、公衆電話など)が象徴的に描かれている。

 

しかしながら、そういったものは決して死んでしまったわけではなく、

一部の若者にとっては新鮮に感じ、リバイバルしているのも興味深い現象だ。

 

それはともかく.....

この映画の評価と言えば、恐らく鑑賞者の好みによってかなり分かれると思う。

なので超おすすめ!とは言えない。

 

強烈に何かをアピールしてくる作品ではないので、個人的には可もなく不可も無く

といった感じだ。