がんばれ たーぼう(ADD息子「超ユニーク君」へのエール) -2ページ目

がんばれ たーぼう(ADD息子「超ユニーク君」へのエール)

息子がADDであることに気付いたのは
息子が20歳を超えてからでした。
・・・そういえば、小さいころから他の子とはどこか違っていた・・・

逃げたくなったこともありました。
そしてやっと今、向き合うことができる気がしています。

東京仕事センターに行き始めた息子。


季節は 夏真っ盛りでした。


やはり ここでも超劣等生。


あまりの字の汚さに「履歴書はパソコンで作ってください。」と言われ


特技などの項目の文章は真っ赤に直される。(苦)


写真も 写真館で撮るように言われ


他の人の 何倍もの回数 面接をしてもらいました。



そして・・


はじめて面接。


受けた会社、何とイベント会社でした。


ただでさえ 人とコミュニケーションを取るのが苦手なのに


「なんでまた?」と思いましたが


この辺りから 私は、息子に助言するのを控えていました。


デッサン教室、自立支援施設への通所、バイト、東京仕事センター などは


すべて私が 秘書のように段取りをしてきましたが


働くのは 当の息子です。


自分ができることを見つけ 自分で決めなければ


働き続けることはできないからです。




さて、生まれて初めての イベント会社での面接。


実際は、こんな感じだったそうです。



社長さん「あなたは、本社がやるようなイベントに、 参加したことはありますか?」


息子   「いえ。まったくありません。」


社長さん「では、この仕事に活用できる特技か何かをお持ちですか?」


息子   「いえ。特にありません。」


社長さん「???・・・・・・・。」


なんで、うちの会社を受けたのだろうか。と思いますよね。


当然、面接は落ちました。




2社目は、材木の卸問屋さんでした。


社長さん「林業の経験はありますか?」


息 子  「まったくありません。」


社長さん「大型免許は持っていますか?」


息 子  「いえ。もっていません。」


社長さん「???・・・・。」


ここも当然、落ちました。



このころの息子。


「働かせてもらえるなら何でもやる!」と意気込んでいましたが


・・・でも・・・


できそうなことを選ばなければ


何社受けても ダメですよねえ。



このころの母ちゃん 毎回ぐったりでした。

バイトを始めて


1か月 経ったころ、


息子に変化が出始めました。


「1日7~8時間バイトができるなら


 もしかしたら、正社員でも働けるかもしれない。」


そんな期待が 湧いてきたようでした。



それに気づいた私は・・・・


「就活を後押ししてもらえるところはないか。」


そう思って ネットで検索しまくりました。


そこで見つかったのが



「東京仕事センター」でした。




すぐに連絡を取り、助けてもらうことになりました。


ここは、若者の就職を支援してくれる公共の施設です。


時間を決めて 丁寧に面接をしてくれ、


就職が決まるまで二人三脚で相談に乗ってくれるのです。


小集団で就活を乗り切る「就コム」というゼミも行っています。



ここでも、


息子は 時間の感覚がとても弱いので


いろいろと苦労をしました。



こんなこともありました。




「日曜日の11時。 仕事センターで面接なんだ。」


そう言うので


日曜日の朝、がんばって本人を起して、食事をさせて家を出す。


やれやれ。と思って 帰宅を待っていると、


夕方、しょんぼりして 戻ってきました。



聞けば・・・


仕事センターに行ったものの


玄関が閉まっている。


守衛さんに 「ここは土日は休みだよ」と言われたそうです。


そうです。そもそも・・・日程を間違えている。


それでも 息子。


守衛さんに頼んで 無理やり中に入れてもらったのだそうです。


そして、ロビーで 2時間待った。しかし


・・・担当の人は来なかった・・・


当たり前です。


公の機関なのですから週末は休みですよね。





私も、気付けば良かった。


この時私は、あわてて手帳を買いました。


そして


「当たり前のことだと思っても 必ずメモするんだよ。」


そう教えて 息子に渡しました。



これが超個性の人。叱っても仕方ありません。


回避する方法を教えることの方が大切なんです。



デッサン教室に行けても


自立支援施設に行けても・・・


やはり


就職しなければ生きていけません。




そこで


手始めに バイトに出ることにしました。


いろいろ考えて・・・・


高校生の時に バイトしていた飲食店に行ってみることをすすめました。



人間 一度できていたことには自信があるものです。


「確実にできていたところまで 戻ってみよう」


そう思ったのです。





無事に採用になり



バイト初出勤前夜のこと・・・


親子で バカみたいに緊張しましたよ。


ただのファミレスのバイトなのに。(笑)


私も 眠れない。


なんとまあ親ばかなことか。



夜中の2時ごろ



息子の部屋にちらっと眼をやると、


電気がついていて


バイト先の制服が、たたまれて机の上に鎮座しているのが見えました。



まるで ランドセルを机に置く


入学式前の1年生みたいです。


たかが ファミレスのバイトでです。





しかし、


実際に勤務が始まってみると


案ずるより産むが易し。


身に沁みこんでいた技術が 己を助けてくれたようです。



自然に体が動く。仕事を覚えている。道具の場所も分かる。・・・




こうして


自立支援施設を卒業し、


バイトに出ることに成功しました。



デッサン教室から始まって ほんの1か月後のことでした。


噛みはじめた歯車に巻き込まれていくように



このころは 数週間単位で 状況が変わっていきました。

息子が小学校1年生の頃の話です。



私は朝が早い仕事をしているので


息子よりも先に家を出るのですが



8時ころになると 決まって職場に


担任の先生から電話がかかってくるのです。


「・・・あの、たーぼうが登校してこないのですが・・・」


-!!! な、なんで? まさか事故??!!


初めこそ そう思いましたがね



10分ほどで 決まってまた先生から電話がかかってくるのです。


そして・・・


「たー坊、今、来ました。


途中でトラ猫に会って、お話ししていたのだそうです。」 とか言われるのです。


飛んでいるカラスを どこまでも追いかけて行っちゃったこともありましたっけね。



まあ。こんな子でしたわ。


でも幸い、他人に乱暴する個性は、全くありませんでした。これは神様に感謝ですね。



だから、まあ・・・・


個性的で 何が悪い!!ちょっと損をする生き方だけど・・・


人様に迷惑をかけることはしていないじゃあないですか。



親として そんな自負はちょっとありますね。




もう、お気づきの方もいるかと思いますが


たー坊には お父ちゃんがいません。


実は うちは母子家庭なのです。


超個性の大学中退息子を抱え、


幾度も沈みそうになりながら 母ちゃん一人で必死に頑張っています。




さて・・・


デッサン教室へと通い始めたのと時を同じくして


公立の自立支援施設 いわゆる「サポステ」にも連絡を取り始めました。


サポステは、息子のようなヒッキー対象に


他人とのコミュニケーションの取り方を教えてくれたり、


コミュニティーに連れ出してくれたりする施設です。


もともと対人コミュニケーションが上手くいかない息子。


その上、大学中退という大失敗をしての引きこもりですから、


相当手ごわいです。




・・・で・・・ネットで「サポステ」を見つけ、


行かせてみようと思ったわけです。



さっそく息子に誘ってみました。



  私「サポステ行ってみれば?」


  息子「うん。やってみようかな。」と、同意。


・・・・でも、いくら待っても連絡しない・・・・・


こんなやりとりが何回も続いていましたが、


とうとう私もキレました。


「なんで連絡しないのよ!!」




そうしたら、息子がこう言ったのです。


「もう、自分では、自分のことをどうにもできない。


他人の力を借りなければ、何もできないんだよ。」



これには閉口


・・・・そうか・・・・


きっと、外に出られない若者の これがホントの心の声なんだろうね。




そして開眼。

ここからは、母ちゃんは秘書になりました。


「サポステに電話する」→「息子の予定を確認する(予定なんてないけどね)」→「電話する」


そして、何とかサポステに通わせることに成功しました。



公園のゴミ拾いのボランティア や コミュニケーションセミナー など。


まあ、途中でビビって帰ってきちゃったり。さぼっちゃったり。


いろいろでしたけどね。


すこし外に出られるようになったことで 


光が見えたように思いました。




つまづいちゃってる若者のみなさん。


予想以上に自分が壊れているものですよ。


辛抱して ほんのちょっとずつ前進。ゆっくりね。


足にぐっと力入れてね。小さいことでいいからできそうなことからやる。だよ。



つまづき子供のお母ちゃん。


お互い苦しいね。


・・・私の育て方の何が悪かったんだろう・・・って思うよね。


・・・不安で眠れない。笑うことも忘れる・・・私も毎日そうだよ。



でもさ。


あと 1度だけでいい。


あと1年。いや半年でいい。


子供の赤ちゃん返りに付き合ってやったらどうだろう。


「このやろう。」って振り上げた拳を降ろしてさあ。


もう一度だけ 耳を傾けてやったらどうだろう。



自分で産んだ子供が


「消えたい」とか思って生きているのって悲しいじゃない?






「このままでいい」って思っている子って そんなにいないような気がするからさ。