アドラー心理学では、

子育てをはじめとする

他者とのコミュニケーション全般について


ほめてはいけないし、

叱ってもいけない。




〝ほめる〟という行為の内実を考えてみると、

ほめられると、何となく違和感を

覚えてしまうことがあるのは、


〝ほめる〟という行為には、

『能力のある人が能力のない人に下す評価』

という側面が含まれているから。




人が他者をほめたり叱ったりするのは、

『アメを使うか、ムチを使うか』

の違いでしかなく、


背後にある目的は、

『自分よりも能力の劣る相手を操作すること』

である。




たとえば、専業主婦の女性を罵る

会社員の男性がいたとすると、


その男性はおそらく、

女性が自分以上に稼ぐようになることや

女性から低く見られることを怖れている。


つまり、


強烈な劣等感を隠し持っている。




経済的に優位かどうかなど、

人間的な価値には全く関係ない。


会社員と専業主婦は、

働いている場所や役割が違うだけで

まさに『同じではないけれど対等』である。




そもそも〝劣等感〟とは、

〝縦の関係〟の中から生じてくる意識である。


あらゆる人に対して

『同じではないけれど対等』という

〝横の関係〟を築くことができれば、


劣等コンプレックスが生まれる

余地はなくなる。