ハンギョレ
[なぜならば]
原発の危険、交差監視を/イ・ウォンヨン
原発の危険に少しでも関心がある方なら、ムン・ジェイン大統領の月星1号機を閉鎖するという今回の決断がうれしいことこの上ないだろう。
実際のところ月星1号機寿命延長案が2年前原子力安全委員会(原安委)で通過する過程を振り返ってみれば今でも怒るほかはない。 ‘継続運転(寿命延長)許可以前に設備交替などの大規模投資が先に成立した’という事実のためだ。 公企業の韓国水力原子力(韓水原)が数千億ウォンという巨額金をぶち込んだ、いわゆる‘卵打ち込み’だ。 月星1号機の物理的限界でR-7という新しい国際基準に従うのが不可能だということを知り、あらかじめ他の方式で数千億ウォンを注ぎ込んだのだ。こういう‘既成事実化戦略’は国家を愚弄するものだ。 この形態は今回の新古里5・6号機建設の時も堂々と行われたし原安委と産業通商資源部(産業部)はこれを目を開けて見ていた。 責任を問わなければ国家ではない。私たちの国は行政府が原発に関するすべての仕事をする。 建設も行政府傘下の産業部と韓水原が引き受けて監視も行政府傘下の原安委がする。 猫に魚を任せるようなものだ。
他の国はどのようにしているか? 共通点は国会(議会)が主導的に監視するということだ。 国政を監視することは立法府の固有業務だ。 内閣制であるフランスやドイツはもちろんアメリカも議会で実質的に監視に関与する。 私たちがまねているアメリカの原子力規制委員会(NRC)は委員が5人なのに、大統領が委員を任命しようとするなら上院の承認を受けなければならない。 多数党は3人以内だけ占有できて、委員長の権限が弱い。 何より原子力規制委員会内の監査官室は議会が直接管轄する。
これに対し比べて私たちはどうなのか? 国会推薦委員持分は数字で押される。 一言で国会は脇役だ。 その上、原安委内部の監査官が委員長傘下でもない事務局長傘下にある。 独立性ははるかに遠い。
私たちの国が変なのだ。 フランスは議会内に監視組織(OPECST)があってその組織が政府の安全監視機関(ASN)も監視する。 強大な監視体制だ。 脱原発のドイツは許可から実行まですべての段階で交差的監視をするように‘4個の目’という監視体系が構築されている。 さらには司法府が関与する国もある。
スウェーデンは環境裁判所があって原発承認の手続きを執行する。 日本は地方自治体が再稼働中断権限がある。 その結果、福島以後3年間日本原発は稼動が完全中断されたようなものだ。 交差的監視体制が作動した結果だ。
監視をきちんとすることになれば法律の不備点が何か明確に分かることになる。 監視で導き出される‘体系的対策の必要性’こそ立法権の基礎だ。きちんと監視しようとするなら常時モニタリングが可能でなければならない。 可能な代案の一つは、ちょうど国会の立法機能を補佐するために立法調査庁があるように、国会内に‘原発監視局’を設置することだ。 この時、国会の監査機能のための‘国政評価庁’(仮称)を新設してその傘下に置くこともできる。
この設置は象徴性と同時に実効性がある。 安全分野の業務がち密になる。 マニュアル部門と非マニュアル部門のすべてが細かく固められて事故や故障を予防する確率はアップグレードされる他ない。 原発のある地方自治体も交差監視の責任を負うようにしなければならない。 そしてドイツのように監視・安全・災害救護関連業務を大幅に増やすべきだ。このような部類の働き口は国民が歓迎する仕事だ。
原文:http://v.media.daum.net/v/20171113180617273