河野 康子先生 Profesor. KONO Yasuko

 静岡県生まれ。東京都立大学大学院社会科学研究科満期退学、法学博士。法政大学名誉教授。
専攻は、日本政治外交史。戦後日本の国内政治を、特に内政と外交との関連から研究されています。社会貢献活動として、2009年外務省いわゆる「密約」問題に関する有識者委員会委員、文部科学省教科用図書検定調査審議会委員を歴任。現在、外務省『日本外交文書』編纂委員を務められています。
 学生一人ひとりに日本政治のみならず、国際政治、経済の問題等、豊富な知識でかつ丁寧に教えて下さいます。親しみやすく、「日本のお母さん」という代名詞がピタリと当てはまる先生です。

○著書
〈単著〉
 『沖縄返還をめぐる政治と外交』東京大学出版会,1994年
 『戦後と高度成長の終焉』日本の歴史第24巻,講談社学術文庫,2010年
〈編著〉
 『戦後とは何か-政治学と歴史学の対話』上下巻,丸善出版,2014年
 『自民党政治の源流―事前審査制の史的検証』吉田書店,2015年

   『安全保障政策と戦後日本1972〜1994年』千倉書房,2016年

   『対話 沖縄の戦後ー政治・歴史・思考』吉田書店,2017年

 『朝海浩一郎日記 付・吉田茂書翰』千倉書房,2019年
〈監修〉
 『英語で読む日本史』増補改訂第2版,講談社,2006年
 『グローバル化と日本の政治・経済』芦書房,2014年
他多数。

○主な担当講義(2015年度実績)
法政大学法学部
  政治学入門演習
  日本政治史Ⅰ・Ⅱ
  演習
法政大学大学院政治学研究科・公共政策研究科
  日本政治史研究1・2

 

メッセージ「法学部への招待」
 法学部へ入学した皆さん、おめでとう。どんな大学生活が待っているのか、期待と不安が半々かもしれません。皆さんは、これから法学部で、法律学、政治学、国際政治学を学ぶことになります。これらの学問は、それぞれ実社会と密接な関連を持っています。なぜなら、世の中には多くの異なる利害関係があるからです。それぞれの利害関係が複雑に対立する場合も少なくありません。対立する利害関係をうまく調整し、紛争を予防し、構成メンバーの同意を得て安定的な秩序を作り上げること、これらのことは法と政治に深く関わっています。法と政治は実社会と関連しているだけではありません。勉強を進めてゆくと、法と政治は、社会そのものを支える思想と歴史に深く根ざしていることも解ってくると思います。
 安定的な秩序とは、どのようなものであり、その秩序を変更する場合、どんな手続きが必要なのか。紛争は予防できるのか。皆さんは、法学部でこれらの問題について学び、その成果を身につけて社会に出て行くことになります。こうした成果は社会人として生きる上で基礎になるものなのです。さらに重要なのは大学生活を通して作り上げた友人との関係です。卒業しても付き合える深い友人関係を、これからの大学生活でぜひ培ってください。(雑誌『法政』法政大学、2011年4月号より)