ルルベの足首がグラグラしないように固定する筋肉。

 

これら4つの「足首を固定する筋肉」は、
全部「足首を底屈する(足首を伸ばす・ポイントにする)筋肉」つまりルルベの踵を持ち上げる筋肉です。これは重要なことです。

 

 

 

さらに言えば、これら4つは全部「足裏のアーチを挙上する筋肉」でもあります。

 

逆から言うと、ルルベに上がる筋肉は、腓腹筋・ヒラメ筋以外は、全部、足裏のアーチを挙上する筋肉です。

 

昔聞いた「ルルベは脹脛の筋肉で上がるんじゃなくて、足裏の筋肉で上がるんだよ」という、一見非科学的な言葉には、れっきとした根拠があるということです。
ルルベは、脹脛の筋肉(常識的に考えて脹脛の筋肉とは腓腹筋・ヒラメ筋のことね)ではくて、足裏のアーチを挙上する筋肉(それらも筋腹がある場所は脹脛なんだけど、奥にありすぎて存在を認知されにくいし、動かしてる骨は足裏の骨だからね。外在筋と言って脹脛に始まって足裏で終わる筋肉です)で上がるんですから。

 

 

その言葉を聞いたのはバレエ経験のあるジャズ・ヒップホップの先生からでしたが、
初めて聞いた時には何のオカルトかと思うところでした…
いや嘘です、そうは思いませんでした。
気のせいとか精神論とかじゃなく、

理屈はわからないけど、
彼はそう感じているのだろうし、
彼の身体にはそう感じさせる何かが
絶対にあるのだろうと思いました。

そのうち自分でもその感じが分かりました。

今ではその理屈も分かるようになって
納得できてスッキリしました

 

 

あまり聞かない名前ですが、カパンジーによると腓腹筋・ヒラメ筋以外の足関節の底屈筋を伸展補助筋と呼ぶらしいです。手足に関しては伸展・屈曲だと混乱しますので、このブログでは関節の運動方向を底屈・背屈で統一します。ということは、伸展補助筋ではなくて、底屈補助筋ということになります。

この筋群をまとめて端的に示す、他に良い言葉がないのでこの用語を採用します。

 

 

 

これらの筋肉が作動して、ルルベすると同時に足首が固定されます。

また、足裏のアーチが挙上し、前足部・中足部が硬くなって、体重が支えられるようになります(歩行・走行中なら、足を蹴り出す時点で足が硬くなって、蹴り出す力がロスなく地面に伝えられるようになります)

人間の身体は実に巧みに設計されているものだと感嘆します。

 

ちなみに、

アーチの潰された足 = 衝撃吸収のための柔らかい足

アーチの挙上した足 = 蹴り出しのための硬い足

です。これはとても・非常に・ものすごく・大事なことです。そのうち記事にできると思います。

ルルベの足(フルポアントの足ならなおのこと)は硬い足でなければなりません。柔らかい足では体重が支えられません。

 

 

底屈補助筋のうち長趾屈筋だけは腓骨と脛骨をギュッと引き寄せる作用はない。

脛骨と(間接的に)距骨をギュッと引き寄せる作用はある。それがちょっとは足首の安定性に寄与してるはずです。それに足首のすぐ脇に通ってるピンと張った長趾屈筋の腱それ自体が足首が揺れた時骨を押し返して真ん中に戻す力になるでしょう。なので証拠はないけどこの図にはしれっとまとめてしまいました。

 

下の図↓には、長趾屈筋は仲間はずれにして別枠にしていますけどね。

 

 

同じ筋肉で異なる動作がなされる時、基本的にそれらの動作ごとに分離して抽出することはできません。

(例)腓腹筋は「足首を伸ばす作用」と「膝を曲げる」作用を併せ持つ。腓腹筋の作用を足首だけに限定することはできない。このため腓腹筋で足首を伸ばしたいけど膝は曲げたくないという場合、膝を伸ばす別の力が必要。膝を伸ばす筋肉(大腿四頭筋)を使って腓腹筋の膝を曲げる力に抵抗し、膝を伸ばした状態を保つということをする。)


これら底屈補助筋にとって、ポイントすることと足首を固定することと足裏のアーチの挙上セットになっていて「バラ売り不可」なんです。

 

「足首をフレックスにしたままでアーチを挙上することもできるじゃん、それはどうなの?」

という問いには「アーチを上げる筋肉には内在筋と言って足裏で始まって足裏で終わる、足首の曲げ伸ばしには関与しない筋肉があるから」ってのが取り敢えず答えです。

(書き足し)あ、あと次のエントリーで書いてるけど、底屈補助筋の力だけじゃいくら頑張ってもルルベに上がるには力が足りないんですよ