23. 仙骨のニューテーション(うなずき)・

カウンターニューテーション(起き上がり)

 

骨盤が前傾したり後傾したりする場合、仙骨と寛骨は常に一塊となって前傾・後傾するわけではない。

 

仙骨と寛骨が結合している仙腸関節は、小さいながらも可動性を持つため、仙骨と寛骨の位置関係は変化し、仙骨と寛骨が、お互いに対して相対的に前傾したり後傾したりという、骨盤内部の関節の動きが存在する。

 

文献によって違うが、仙腸関節の可動性は平均的に6度程度と言われている。

仙腸関節の可動域は個人差が大きく、子供では大きく老人では小さい。

高齢になると骨同士が癒合して仙腸関節の動きが全くなくなる場合がある。

 

 

仙骨が寛骨に対して相対的に前傾している状態を

ニューテーション(うなずき)
仙骨が寛骨に対して相対的に後傾している状態を

カウンターニューテーション(起き上がり)

と呼ぶ。

 

アラベスク・パンシェをしているダンサーの骨盤は、床に対して大きく前傾しているし、仰向けにリフトされているダンサーの骨盤は、床に対して大きく後傾している。

動作の最中の、骨盤全体の床に対する前傾・後傾を語ってもあまり意味がない。

 

バレエにとって、床に対しての寛骨の前傾・後傾(一般的にいわれる骨盤前傾・骨盤後傾)よりも、寛骨に対する仙骨の前傾(ニューテーション)と寛骨に対する仙骨の後傾(カウンターニューテーション)の方がずっと重要性が高い。