2024年3月31日。
はいたい、こんばんはー
いつもありがとうございます
今日家の周りを歩いたら桜が開花していました〜
一気に五分咲きという感じです。
明日には満開になりそうな勢いを感じました
さて、今日からしばらくCA時代の後輩さんの話を書こうと思います。
後輩さんが入社してきた20年前くらいからその人が辞めた10年前くらいまでの、かなり昔の話です。
つい先日、その後輩さんについて話を聞く機会がありまして……。
私なりに考えたことを書こうと思います。
とりあえず
バブル崩壊の影響で数年間CAの採用が無かった時期を経て、再びCA採用が増えてきた時期に入社してきました。
アリコさんの同期には気が強い子や態度のデカい子や仕事ができなくてもヘラヘラ笑ってごまかす子などなど……問題児的なタイプもいたのでみんなそっちに目を向けていました。
なのでアリコさんの頑固さが問題になってきたのはアリコさんたちが入社して丸4年が過ぎ、先任と呼ばれる資格を取る頃でした。
当時は先任資格を持つ人が1便に1人は乗務しなければいけないという決まりがあって、先任は客室の責任者という位置づけでした。
もちろん先任資格を取るためには座学とOJT訓練を受けて審査に通らなければなりません。
たまたま私はアリコさんのOJT訓練フライトに同乗することになりました。
当時の私はまだ教官になる前でした
その便の先任はアリコさんのグループチーフの先田さん、教官は教山さん、どちらも私より5年以上先輩のベテランCAです。
OJTなのでアリコさんが先田さんの代わりに先任業務をおこない、アリコさんの指示の元にアリコさんと先田さんが機内前方のサービスを担当、私が後方のサービスを担当することになっていました。
教官は基本的に業務・サービスには加わりません
その日は短い離島路線を2便、少し長めの本土路線を2便フライトするというパターンだったのですが、3便目のサービスが始まった時に事件は起きました
とある自称上顧客という男性から
「新品の機内誌を10冊ちょうだい」
と言われたアリコさんが
「機内誌はお1人1冊が原則なので10冊も必要なら書店などでお買い求めください」
とご案内したところ大クレームになってしまったのです
確かに10冊は多すぎで簡単に
「はいどうぞ」
とは言えません。
でも相手は特別扱いしてもらえるのが当然という態度の上顧客(自分で言っていたらしい)
アリコさんの発言は正論です。
でも接客は正論が正解とは限らない……
私ならどうするかなー
「機内に予備が5冊しかないので、新品は5冊お持ちできますが後の5冊は空席からお持ちしても良ろしいですか?」
と数を譲歩してもらうか
本当は予備10冊あるのですが
「機内の予備は少ないので空港到着後に搭載担当者に10冊用意しておくよう伝えてのちほどお渡ししてもよろしいですか?ただ、用意に時間がかかるので飛行機をお降りいただくのが最後になりますが……」
と時間がかかることを飲んでもらうか
まぁとにかく簡単にはOKしませんが、お客様のリクエストを受けようとする姿勢は見せると思います。
ですがアリコさんは正論のみで対応したので、リクエストを簡単に却下されたように感じたお客様は怒ってアリコさんを怒鳴りつけました
するとアリコさんは泣き出して
ギャレーに引きこもってしまいました。
まぁたまーに、お客様に怒鳴られたり酷いことを言われて泣くCAはいます。
ですが先任訓練中にお客様の前で泣いてギャレーにこもるCAは初だと思います
大抵泣くのはど新人
結局、先田さんが責任者としてお客様に謝罪等の対応をし、私はほぼ1人でサービスをおこない、教官の教山さんはアリコさんをなだめたり先田さんのケアをおこなったりしてどうにかフライトを終えました。
アリコさんは次の便も先任としてフライトする自信が無いと言って訓練は中断、急遽先田さんが先任業務をおこないその日のフライトを終えました。
で、事務所に戻ってブリーフィングをおこなったのですが……
アリコさんは『お客様が酷い』としか振り返らず
優しく慰めていた先田さんと教山さんでしたが、先田さんが
「アリコさんは間違ってはいなかったけど、先任なら責任者として最後まで対応できないとね」
と諭すように話しだしたらまたシクシク泣き出してしまいまして
仕方がないのでその日は振り返りを教官に任せ、ブリーフィングを終了しました。
私は
『先田さんも教山さんも優しいな〜』
『アリコさん、甘えてるな〜』
と思いましたが、当時の私はまだ教官でもなく指導にも消極的だったので何も言いませんでした
すると後日。
疲れ果てた顔の先田さんに声をかけられました。
なんと先田さん、部長や訓練課長から呼び出されてアリコさんへの対応を怒られたそうです
アリコさんは
『自分は正しかったのに先田さんに責められた』
と部長や課長に話したらしく、教山さんはフォローしてくれたけど普段謙虚で素直に見えるアリコさんが泣いて訴えてきたことで、部長や課長には
『先田さんの言い方にどこかトゲがあったのではないか?』
と受け取られてしまったそうなのです。
これを聞いて
『アリコさんって怖っ』
と思いました。