読書281 雨滴抄 | そらいろ日記

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今日25日は雨を楽しむ読書の感想を

 

「雨滴抄」白洲正子

 
雨の日の読書は上質な文章に耽るにかぎる。
 
審美眼の土台となる教養、興味関心や表現が、つまり言葉の選び方が心に響く。

雨音を聞きながら没入していると心地よい気分になってくる。
 
例えば

昔の漆問屋の主人は、塗り物を手に持っただけで、どれほど下塗りに手をかけたか直ちにわかったという。今はそういう売り手も作り手も少なくなったのは寂しいことである。

 

お能は翁の変奏曲といっても過言ではないと思います。

 

古寺には松風の音のみ聞こえて、梢をもれる月影ももの悲しい。

 

白い薄の穂が朝風にゆれている。

 

悠久の水をたたえた日高川は、すべてを呑んで滔々とうとうと流れていた。

 

「心あまりて、言葉足らぬ」不足部分に微妙なかげりと、いうにいわれぬ余情がある。

 

夕べの霧はすべてのものを包みかくし、花吹雪の中に、過去の人も、現在の物も、一つになって溶けこむように見えた。

 

物はただ美しくありさえすればそれでいい。時代や作者を気にするのは、自分の眼に自信がない証拠かもしれない。

 

知識はむろんあればあるほどいい。が、物を見る時は、すべてを忘れさることが肝要なのだ

 

◆美しい言葉の抜粋

・憶い出

・夫婦の仲はこまやか

しぼ

くわしい

・美丈夫

 

 

 
 
 
 
 
 
◆おまけ 
本とモチーフの素敵な関係をテーマに♪
 
やわらかい雨彩に包まれたように撮ってみたい。
 
 

 

好きな色  一滴ひとしずく 

 

写真沼の楽しさを発信されている方々に感謝を込めて画像を掲載させていただきます。

 

雨の日の光で彩を造る♪

 

 

◆お写んぽ

 

 黄菖蒲