虫の音がすっかり秋めいている朝。
日中の日差しは、まだまだ眩しい。今年の夏は長いような気がしてくる。
そうかと思えば、近所のお花屋さんは、すでに秋の花々に置き換わっている。季節は進んでいるともいえる。
山頭火は秋風に石を拾う。
夏目漱石は…これはまた別のお話。
秋に実が紫色に彩づくコムラサキのお花の方を見逃してしまったのかも。行く夏を追いかける。
しばらく前の或日のこと。慌てて自転車を走らせ花に会いに行った。
白い雫のような名残の花が枝先に咲いていて、根元の実は彩づき始めていた。
そんなコムラサキの近況 揺れて、うつろい、染まって
実が枝先まで深い紫色に輝くころ、きっと涼しくなっているだろう。
夏と秋が行き交う今
その時にしかない色がそこにはある。