年末年始、人事について本を読んで学びました。
和光は、地域の子供たちに選ばれる会社を目指しています。
これからの人事戦略、今までのやり方じゃ通用しないという危機感から、読書をする。
変化するためのインプット。
迷った時ほど読書します。
ざ~っと、読んでみて・・・日本の人事制度の歴史が一番印象に残ったし、面白かった。
分かったことを備忘録として、かきなぐりますね。
現在の日本は、欧米と違って、教育、評価制度含め、一律平等の仕組みのなかで動いている。
しかし戦前は、かなり差別的な制度だった。
上司のプライベートを手伝う人(=気に入られた人)には、昇給幅がおおきくなった、という。
職員(職長)と工員、の間で生まれる職業差別。
職員が圧倒的に待遇、労働条件が優位だった。
どうがんばっても、工員(ブルーカラー)は職員(ホワイトカラー)になれなかった。
戦後、労働組合結成とともに、この工員と職員という身分制の撤廃につながっていった。
この労働組合というのが今の欧米との働き方の仕組みの違いを生んでいるようで。
欧米との違いは、「仕組み」であって「国民性」ということではなさそう。
アメリカ式の労働組合の仕組みだと、職務(ポスト・ポジション)の平等を目指して、業界横断的に労働組合をつくる。
日本は企業別単位で、労働組合をつくり、働く誰もが一律平等に幸せを実現できる社会を目指した。
世界では揶揄されたという日本のオリジナルな仕組みが当時のジャパン・アズ・ナンバーワンの土台となった。
現在に至っても、アメリカでは圧倒的な「職務」主義が徹底されていて、「職務=ポスト」に待遇・給与が紐づいている。
したがって、ホワイトカラーは、圧倒的に稼ぐし、自由度が高いし、ぜんぜん休まず仕事するのに対して、ブルーカラーは、ワークライフバランスという概念で、仕事をさせてもらえないまたは、同じ職務(ポスト)=同じことを繰り返すループのなかで一生同じくらいの賃金で働く、という現実がある。
グラフで示されている数字の資料に説得力があった。
こりゃ、きつい。
犯罪がおおいし、ストライキが起こるわけだ。。。
企業都合でも従業員都合でも、同じ職務を続けられない条件が発生したら、即解雇、というのがアメリカの常識。
日本は、職務ではなく、人に対して待遇・給与が紐づいているから、職能給がメインとなる。
人件費がより、コントロールしずらいけれど、沢山の経験や教育をうけられる日本型は、急成長している時代においては、抜群だったことが明確にわかった。
「人事の組み立て」の著者さんは、前半(45歳まで)を日本型、それ以降を欧米型にすることを提案されていました。
「途中から欧米型」キャリア=1事業に対する「管理職のポストは増やさない」です。
王手上場企業からすると、管理職ではない社員でもがっちり、給料を平均で年800万(賃金基本統計調査)支払っている現実があるからそういう論理が目新しくなるんだろうな。。。
私(中小零細)だと、正直、当たり前感あり。
働いていない、成果をあげていない人が給料をたくさんもらっている現実を続けていれば、間違いなく会社は傾きますので。
この「人事の組み立て」を参照して書かれたサイボウズ髙木さんの本も面白かった。
人事を通して、人を幸せにする覚悟を感じました。
想いが熱かったな~。
東大出身の超エリートが泥臭い努力を積み重ねるストーリーも、刺激をうけた。
彼を後押しして、出版までさせる、サイボウズという会社の価値観にめちゃくちゃ共感する。
そして、何のために和光の人事制度を変更するのか、を強烈にイメージできた。
ここに書かれていた良品計画の事例「P386 バックパス制度 カムバック制度」のように、
「現場がやりやすくなるために、制度をつくる。」
という方針が一番和光にしっくりくる。
現場主義で仕組みはつくらねばならんと改めて感じました。
個人ではなく、売り場・現場のために。
結果、個人のためにもつながるという順番。
ほんと、当たり前のことですが、何を大切にするのか優先順位を守った仕組みが大事。
まだまだ書きたいところですが、息子のバスケのお迎えにいくので、ここらへんで終わります。