こんにちは。川村です。
Hさんの、日本傳空手道 唯真流の個人指導の様子をご紹介します。
今回のテーマは、浮身を使った順突きのバリエーションです。
空手に先手なしを実践する、ローリスク・ハイリターンのカウンター戦法を可能にします。
Hさんは、柔道、伝統空手を経て、唯真流空手で研鑚を積まれています。
まずはお互い左半身に構え、相手と相対します。
最初は、相手の左刻み突きに対し、カウンターを極める順突きです。
骨盤を右にずらしながら、浮身になりつつ、両膝の内側をくっつけます。
右半身になりながら、相手から見て左斜め前から、右順突きを入れることができます。
「これは相手、わからないですね!反応できないですよね!」
「普通のフットワークだったら、相手もわかりますけど、これだと本当にわからないですもんね!」
相手の突きを、空振りさせた瞬間に、相手の前から消えながら、死角からカウンターを当てるんですね。
次は相手の顔面、または胸板にハンマーパンチの順突きを極める方法です。
相手の右逆突きに対し、強烈なカウンターになります。
左にヘッドスリップしながら浮身になり、両膝の内側をくっつけます。
右半身になると同時に、右肘が大きく跳ね上げられることになります。
右逆突きを空振りした相手の顔か胸に、右拳を打ち下ろすことができます。
「ああなるほど!これはヤバイですね!正中面突きになってるんですね!これは見えないわ!」
相手にとってかわしにくく、ダメージが深くなる順突きのカウンター例です。
上向きのミットに当てた瞬間、相手に尻餅を着かせ、そのまま仰向けに倒すほどの威力です。
「マジですか!こんなの食らったら、絶対胸骨折れるじゃないですか!いや〜極意すぎる!」
「ああ!距離が近すぎたら、肘打ちにも、投げ技にもなるんですか!これはヤバすぎる!」
続いては、相手の右逆突きへのカウンターのハンマーパンチに続く、二打目を順突きで行う例です。
右半身からの左ボディフックの順突きです。
体幹の右半分と左半分を、前後にスライドさせて入れ換えるように体を切ります。
同時に浮身になりながら、両膝の内側をくっつけて、左真半身になります。
相手の右脇腹に、左鈎突きを順突きの形で入れることができます。
「横から振り回さないから、軌道がわからなくて、相手はよけづらいですね!」
「井上尚弥さんみたいなフォームになりますけど、足はやっぱり空手の、順突きの形ですね!」
ミットに打ち込むと、相手を、軽く数mほど吹っ飛ばしてしまいました。
「強力ですね!でも、拳には全然、返ってこないですね!突くほうは、凄く楽ですね!」
この3つのバリエーションを、組み合わせることで、カウンター戦法の成功率を上げることができるんです。
「いや〜やればやるほど、奥が深いですね!めちゃめちゃ楽しかったです!」
浮身を使うことで、カウンター戦法がやりやすくなり、リスクを下げることができます。
通常の運足、ステップと違い、両足同時に滑らせるため、普通ならやるはずの行程を、一つ減らせるからです。
普段から、床や地面を蹴らず、なるべく脚力を使わないように歩くことが、習得の助けになります。
居着かない動きを実現し、打たれずに打つ空手を可能にしてくれますよ。