こんにちは。川村です。
Hさんの、日本傳空手道 唯真流の個人指導の様子をご紹介します。
今回は、空手の形の中にある、自分の居着きをなくす練習法をお伝えしました。
自分の動きを読まれないようにし、相手に打たせず、一方的に自分だけ打つ空手を実現するためです。
その要は、体幹の捻転差を活用することにあります。
Hさんは、伝統空手を修めたのち、唯真流空手を学び、その動きは既に、達人の域に入りつつあります。
どういうことかというと、遂に、一度も居着かない、三歩連続の歩み足を体得されたからです。
ピンアン二段の、三連続揚げ受けや、三連続順突きのときの足捌きです。
三歩進む間、一度も前の足に体重移動せず、後ろの足で床を蹴らないんですね。
やってみるとわかりますが、一般的な歩き方では、このようなことは一歩だけでもできないのが普通です。
普通にはできない歩き方ができることで、自分の動きを相手に捕捉させないわけです。
「確かに、こういう動きをしている人は、かなり強い人でも、見たことがないですね!」
体幹の捻転差を活用することで、両足のどちらにも体重を偏らせて載せない、居着かない足捌きができるんですね。
この居着かない歩み足を使って、居着かない順突きとはどんなものか、やってみました。
逆半身になって突くことで、相手の攻撃をかわし、相手の斜め前の死角から反撃するんです。
慣れると左半身から右、左と逆構えになりながら、順突きを、二発連続で出すことができます。
相手の目の前から、目まぐるしく左右に消えながら、二発突きを叩き込むわけですね。
「本当だ!相手からは、確かに消えて見えますね!これはよけられないな!」
「達人の先生は往々にして、習う側にとっては、心が折れるような練習をやらせたりするじゃないですか」
「それは、そのほうが本当に、達人になる効果が高いからなんでしょうけど…」
「それで習う側の心が折れて、練習が自己流になったら、こういう動きは伝承できなくなると思うんです」
「その間を埋めるのが川村先生というか、川村先生はそのエキスパートだと思うんですよね」
「ゆっくり、止まらずにですか、いいですね!独り稽古で楽しく遊べそうです!」
「今日も、上達させていただきました!まさか、ここまでのことができるとは、思ってなかったですね!」
居着きをなくすことで、防御から反撃までの動きを一つにつなげ、自動化することができます。
かわして、突いてという二挙動ではなく、かわしたときには突いているという、一挙動の動きです。
相手の中段突きを、体捌きでかわす練習をベースにすると、体得しやすくすることができます。
あとは、突きを出すタイミングを遅らせていけば、かわす動きで突きを出せるようになります。
これに居着かない歩法を合わせることで、相手の前から消えながら、死角から突くことが可能になるんですね。