半年前、初初しい笑顔で席に着いていた皆さん。半年の間、仕事を覚えるのに悩み、お客様との関わりに悩み、営業成績に悩み。
驚くほどに大人の顔になっています。
休憩時間、
「何をしても上司から注意されるし、お客さんから、他の人とやり方が違うと指摘されるし、何が正しくて、何が正しくないのか、わからなくなりました。」と下を向いてつぶやいていた新入社員のかた言葉を受けて、休憩明けに、全員に話しをしました。
「半年、わからないことだらけだったよね。
周りの人も理解してくれないと考えることばかりでしょ。
でもね。
あなたのことをわかってくれている人が誰もいない。なんて思わないようにしようね。
同期のみんながいるじゃない。学生時代のみんながいるじゃない。
家族がいるじゃない。
あなた全体を否定されているんじゃないことを覚えておいてね。」と。
みんな、私のこの言葉を聴きながら、隣の同期と微笑み合い、後ろを向いてうなずいているのをみて、ほっとして午前中の仕事を終えました。
以前、研修依頼を受けていたのにキャンセルの連絡があったとき
こちらに何か失礼をしたことがあったのかと尋ねたことがあります。
その方は
「講師経験年数15年以上というけど、だってあなたは、有名大学を出ていないではないですか。論文の発表もしているわけではない。ましてや本も出していないのだから、無名であり、実績がない講師ですよね。」と
冷たい口調で言いました。
「そういう講師いくらでもいるんですよ。あなたは特別ではない、代わりはたくさんいるということです。」と。
代わりはたくさんいる。
この言葉は、この仕事をしていてずっと大切にしている言葉です。
私でなくても、組織で働くこと、コミュニケーションの取り方を教えてくれる人は山ほどいる。
だからこそ、私の目の前に「今」座ってくれている受講生の方を大切にしようと
思うことができました。
次男がこの夏免許を取って、車の運転の練習のために私が助手席に乗り
買い物に行くことになった時のこと。
玄関まで出てきた主人が息子に
「おい。運転、気を付けろや。」
というと、息子が
「おお。大切なもの乗せちょりますからね。」とにやりと笑いました。
運転がスタートして、さっきの会話が不思議だったから
「ねぇ、なんか、割れ物でも乗せちょるん?」と聞くと
「何のこと?」と言われました。
「いや、さっき、おとうに、大切な物乗せてると言ってたから。」と言うと
あきれたように、
「はぁ~~。おかあのことやろ。」と。
代わりのいない場所がありました。
その時、「鳩居堂」の秋の絵はがきを息子が買ってくれました。


