現代の日本における庭園として、日本様式と西欧様式が存在する。どちらが好きかと問われれば、躊躇せず前者を挙げる。西欧の人々は自然と対峙してそれを抑え込みやり方を進めてきた。それを象徴するのが、西欧様式の庭園と考えている。幾何学的に地面を区画して、そこに植物を植える。バラなどがよく似合うであろう。
私たちがイメージする日本庭園のかたちが整ってくるのは飛鳥~奈良時代以降になる。平城京の東院庭園などの庭園遺構から明確に読み取れるが、水を使った庭園(池泉庭園)の自然風の構成の原型が現れる。
日本庭園のかたちが生まれた背景に、大きく2つの要素が存在する。1つは古代中国・朝鮮半島から伝わった庭園芸術である。稲作や文字など多くの渡来技術のなかに、造園技術が存在した。同様に大陸からもたらされた哲学思想である仏教も庭園づくりに大きな影響を与えている。
もう1つは日本の風土気候と森羅万象に生命や霊性が宿ると感じる世界観である。日本人がもつアニミズムである。日本は南北に長い国土と降雨量の多い温帯気候に存在する。植生の多様性に恵まれる反面、台風や地震などの自然災害に迎えてきた自然観が日本庭園を育む土台となっている。
日本庭園の重要な要素である、自然石による石組もその一つである。日本では自然風景の縮尺を再現している。そびえ立つ自然石は仏教における世界の中心である須弥山を表している。空間づくりの要となる自然の風景へのこだわりは日本人の自然や自然への畏敬の念の現れになる。
ネットサーフィンしていると興味深い記事に出会うことがある。その一つが日本庭園である。都立には日本庭園が数多く存在する。かなりの庭園を見てきたが、地下鉄東西線にある「西葛西」のそれは初めてだった。江戸川区の「行船(ぎょうせん)公園」と連続する「自然動物園」である。
動物園から中に入ったが、休日だったため、親子連れが目立っていた。レッサーパンダやオオアリクイなど20種を超える動物を観ることができた。続いて日本庭園に入ったが、前述の特徴を備えていたのは言うまでもない。池の鯉に餌をあげている光景を観ることができた。池には釣り堀も併設されていた。これらすべてが無料というのも江戸川区太っ腹といえそうだ。
初めての西葛西だったので駅周辺も歩いた。骨董店など興味深い店も発見できた。穏やかな日和の中、半日の散策を楽しんだのである。
