ドラえもんの秘密道具のひとつが、どなたもご存じの「ほんやくコンニャク」である。これを食べれば、どの国の言葉であっても、すぐに「話せるし、聞きとることができる」優れモノなのである。その効果はなんと宇宙人にも及んでいた。

 

 はるか、はるか未来の技術だったと思っていたが、すでに実現されていたのだ。それが、ソースネクストの「ポケトーク」である。これに向かって話せば、任意の国の言葉に翻訳してアウトプットしてくれる。ただし、Wi-Fiが通じる必要がある。翻訳してくれる本体の頭脳はWi-Fiの先に存在するのである。現在はさまざまなメーカーから同様な製品が市販されている。

 

 鉄腕アトムはどなたでもご存じだろう。山下達郎氏も通算23作目の曲「アトムの子」として歌っている。手塚治虫氏が描いた鉄腕アトムだが、その視点に欠けていたものがある。それが、インターネットの存在である。

 

 瀬名秀明氏は細胞中でエネルギーを作る「ミトコンドリア」をテーマにした「ミトコンドリア・イブ」でデビューした。氏は他にも、いくつかのロボットをテーマにした「あしたのロボット」などの作品を上梓している。その中で、ネットから遮断されたロボットの心の寂寥感を描いている。

 

 われわれであっても、同じではないだろうか。ネットを遮断して生きていくことは、極めて困難なことである。というより、依存症になっている人間が少なくないのである。依存症の理由として、さまざまな情報やゲームが存在する。後者のゲームにあっては、依存するように、多様な罠(わな)が仕掛けられている。無力の多くの人間が、罠にはまっているのである。

 

 罠について、補足しよう。人間はうれしいことがあると、アドレナリンというホルモンが放出され、幸福感に浸ることができる。ゲームをテーマに、例を挙げてみよう。望ましいアイテムをゲットしたというのがそれである。これらを用いて、外敵を撃退したというのが続く。アイテムや外敵は少しずつレベルアップするので、限りなく続くのである。

 

 罠にかかった人間は、どんどんのめり込でいくことになる。これを際限なく継続できるようにするのが、プロデューサーの手腕になる。この方向で、プログラマーに具体的な指示を出すのである。

 

「仕掛けは流々、結果を御覧じろ」である。極めて多数の一般市民が、罠にはまっている。電車の中で、周囲を見回してほしい。スマホの画面に、見入っている人間ばかりではないだろうか。それほどに、ネットの呪縛は強烈なのである。ネットとの付合い方は意識してコントロールしたいものである。

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