オパール(英語: opal)は鉱物(酸化鉱物)の一種である。世界で最も愛されている宝石のひとつといえる。化学組成は SiO2・nH2Oで、成分中に最高10%の水分を含む。硬度は5~6.5と柔らかく、屈折率1.37~1.47、比重1.9 -~2.2である。また、10月の誕生石である。

 

 オパールの名称は古代インドのサンスクリットで「貴重な石」を表す「ウパラ」が変化したものであり、「色の変化を見る」という意味のギリシャ語「オパリオス」に由来する。

 

 本鉱物の魅力はなんといっても独特の色のゆらめきである。見る角度によって変化のある「プレイ・オブ・カラー(遊色効果)」という虹色の輝きを持っている。この効果はシャボンの泡が見せる虹の色と似ている。ただし、非常にドラマティックである。

 

 主な産地はオーストラリアのクーバーペディやライトニング・リッジとメキシコなどである。日本でも広く産出し、東北から九州にかけて広範な遺跡からも出土している。ただし、宝石級のものは見かけることはない。地球だけでなく、火星においても発見されている。2012年、火星探査機キュリオシティによるゲールクレーターの現地調査で、破砕ヘイロー(fracture halo)という鉱物帯にてオパールが多く含まれていることが確認されている。

 

 どのようにして生成するのだろうか。主に火成岩または堆積岩のすき間に、ケイ酸分を含んだ熱水が充満することにより、含水ケイ酸鉱物としてできる。他にも、埋没した貝の貝殻や樹木などがケイ酸分と入替わったり、温泉の沈殿物として生成されることもある。オーストラリアでは恐竜の歯などの化石がアパタイトからケイ酸分に入替わり、オパール化した例がある。筆者の持っているオウムガイ(写真)も貝殻がオパール化している。その美しさに魅了され、即時購入してしまった。

 

 前述のように、オパールは宝石の中で唯一水分を含む。火星で発見されていることはかつて水が存在した証拠になっている。

宝石店などでは保湿のため、水を入れた瓶を置くところもある。オパールの原石はカットされる前に充分天日で乾燥させられる。この乾燥に耐えられたオパールだけがカットされて指輪などの宝飾品に加工される。このようなオパールは普通に取り扱っている限りは特に問題がない。

 

 なお、オパールは和名と中国語名はともに蛋白石(たんぱくせき)である。といわれても、食べたくなるわけはない。

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