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わが家のベランダ菜園を「見てくださいっ!」。昨年(2009年)11月の寒風の中、プランタに蒔いたサヤエンドウだが、発芽して冬の間ゆっくりゆっくり伸びてきた。春の温もりとともに元気を増し、可憐な花が咲いて小さなサヤもつきだした。

エンドウは、中東原産のマメ科植物。麦栽培の雑草だったものが、食べられるということで野菜化されたようだ。主に未熟なサヤ部分を食べるのが、サヤエンドウ。中の豆を食べるのがグリーンピースで、両方食べられるのがスナップエンドウという訳である。完熟した豆も利用されている。ミツマメの中に入っているのがそうだが、これとグリーンピースは好きではない。

最近の野菜かと思っていたが、「とんでもはっぷん」。インドから中国経由で8世紀の奈良時代には、すでに日本に伝わっていたらしい。遣唐使は7から9世紀にかけて続いていたので、この文化交流に伴いやってきたのではないだろうか。なお、エンドウのことを漢字で「豌豆」と書く。

昨年、本ブログ内「遺伝子を発見した男」というタイトルで、メンデルの業績を紹介した。現在であれば、ノーベル賞間違いなしの「遺伝の法則」大発見である。その題材となったのも、このエンドウ豆だった。科学の発展に大きな貢献をしてきた存在でもあるのだ。

サヤエンドウは煮ても焼いても(焼かないナ)炒めても、彩りとシャキシャキ感を味わえる。ただし、楽しみ方は食べるだけではない。サヤの色は緑色のため、葉の中に紛れてしまう。視点の角度を変えながら、見つけるのが楽しいのだ。「カクレンボ」の鬼になった気分である。終りにしようと思っていて、隠れていたサヤを見つけた喜びは、一入(ひとしお)である。

昨年蒔いた種は、自家採取したもの。といえば、何となくカッコよく聞こえるが、そうではない。見つけ損なって、大きくなってしまったものを乾燥保存しておいたのである。豆として食べるには乏しい量であっても、種にするならば十分。自家採取は発芽時期に差が生じるようだが、温かい時期には大体揃ってしまう。サヤエンドウだけでなく、心地よい季節も一緒に楽しむことにしよう。

*第51回科学技術週間サイエンスカフェ
下記の要領で、講師を務めます。よろしければ参加くださるよう、ご案内申し上げます。

1. テーマ:おいしさを造る微生物
2. 日 時:4月13日、19:00~20:30
3. 会 場:丸の内カフェ2階(千代田区丸の内3-3-1 新東京ビル)
4. 参加費:無料(申込み必要)
5. 詳 細:http://stw.mext.go.jp/100311s/entry100311a.php