私は宇宙人(エイリアン)諸星ヒカル。都内の某大学で食品関連の講師をしながら、この惑星を調査している。片腕となるモノリスは私を時空に縛られることなく必要な環境に移動させてくれる。現場に行って人々の状態を確かめるのが大事である。ここでは食品に関するレポートを取り上げる。

 今回のテーマは精進料理である。仏教の戒に基づき殺生や煩悩への刺激を避けることを主眼として調理された料理である。この料理では使用を禁止されている食材が大きく分けて二つ存在する。一つは肉、魚、卵などの動物性の食材である。もう一つは煩悩を刺激する五葷(ごくん)と呼ばれるニラ・ニンニク・ネギ等のネギ属などに分類される野菜である。ただし、五葷の扱いは時代や地域によって異なる。

 

 精進料理の意義には三つの要素があるとされている。仏教の五戒の一つである殺生戒を行持し、慈悲の精神を養いつつ清浄心を培う。あらゆる物を活用することで、それぞれの料理法によって食膳にのせることができること)。淡味のなかに真実の味があるとし、真実性を養うこともある。

 

 精進料理を摂る場所は寺院である。宿坊とは、もともと神社の参拝者や寺院の修行僧らが宿泊する施設の総称であ。現在は外国人を含む一般の旅行者が宿泊できるケースも多い。ここでは現代人が抱えるストレスを和らげ、心と体を深くリフレッシュさせる効果が期待できる。

 

 神社や寺院そのものに泊まる、または敷地内や近隣に神社・寺院が所有する会館を利用して宿泊する場合や、門前に立つ旅館・民宿のような施設に宿泊するケースなどがある。修行は、善を修めるという意味がある。具体的には、座禅や瞑想、写経や滝行などが修行体験として一般に知られている。

 

 1日2食の精進料理は、感謝する気持ちで私語を謹んで食べる必要がある。日常の所作(お辞儀など)も気をつけないといけない。一般人の日程は以下のとおりである。

4:30起床

5:15座禅

6:00朝のおつとめ(お経)

7:30朝食

8:00座禅

8:30 1日の反省

 

 私も経験してきたが、確かに精神が穏やかになったといえる。宇宙人にも有効なのだった。戦争好きなあの人たちにこそ修行を受けさせたいものである。

 

*シンパロディ:

 永井豪氏のけっこう仮面に登場する「タタリ一族」は白戸三平氏の「ワタリ」のパロディである。

 

 これらに沿った面白い例を紹介しよう。「なまくら簪坊主」は寺院を支えていると自負している。昼間は寺院で一般人に説教をする。夜は唄町に出かけ、ここでも芸子相手にお釈迦様の話をする。簪などを土産に持っていくので、人気があるのだ。