「JOKER」を久しぶりに観ました。

10月11日に続編「ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ」が公開されるので、前作「JOKER」を復習するのが目的です。(本当に公開が楽しみですね)



今回は、吹替版で観ました。
驚いたのは、2019年の作品なんですよね。
もう、そんなに、前の作品なのかと思いました。

もちろん、公開時は、劇場で観ました。
なんの情報もないままに観たので、想像もしていない物語の展開に、ただただ、驚きの連続でした。

作品については、ヴェネツィア国際映画祭の金獅子賞受賞、アカデミー賞主演男優賞受賞、さらに日本でも、2019年度キネマ旬報ベストテンの外国映画第1位と作品の評価は今さら、私がお話しすることは何もありませんね。
(興行収入50億円もすごいですね)
残念な思い出がひとつありまして、この年のキネマ旬報ベストテンの授賞式に、運良く抽選で当選したんです。
ベストテンの第1位の作品が記念で上映されるのが恒例なんですが、「JOKER」は上映されなかったんです。(変わりに第5位「グリーン・ブック」が上映)
おそらく、大人の事情が、あったんでしょうが、残念でした。
なので、公開時に1度観ただけなんです。


作品の情報は、今さら必要ないですよね。

いろんなところで、言われていることなんですけど、私も初めて「JOKER」観た時は、マーティン・スコセッシ監督を思い出しました。
ロバート・デ・ニーロが出演していることも、ありますが、物語も「タクシードライバー」「キングオブコメディ」を連想しましたものね。 
(実際、マーティン・スコセッシ監督、レオナルド・ディカプリオ主演の話もあったとか)


それが、当時、少し気になっていたり、やはり、字幕なんで、物語も、どこまで理解していたのかは、正直なところ自信なかったです。
(でも、私も、この年の外国映画ベストワンにキネマ旬報の読者投票しましたけどね)

今回、吹替版で観直して、やはり、面白かったのは、もちろんなんですが、いろいろと前とは違う印象もありました。


そのひとつが、チャップリンの「モダン・タイムス」が重要だったことです。



いろんな場面で、「モダン・タイムス」が、関わってくるんですね。

有名な曲『スマイル』も重要なシーンで、使われています。

何より、JOKER、ピエロ🤡は、常に、スマイルです。

ゴッサムの暴動は、スマイルで、あふれているんですよね。


そんな暴動の最中に、大きなチャップリンの幕をかけた、豪華な劇場があります。

そして、その豪華な劇場で上映されていたのが、チャップリンの「モダン・タイムス」でした。



有名なハラハラするスケートのシーンが映し出していました。
観客席は、明らかに全員が正装した上流階級で、大笑いしていましたね。

「モダン・タイムス」のチャップリンの役は、機械文明の中で働き過ぎて、精神的に不安定で、病院に送られてしまい、失業してしまいます。
JOKERのアーサーと同じ境遇です。

そんな、チャップリンを大笑いして観ているのが、上流階級、一方外では、抗議行動をしているのは、まさに、チャップリンと同じ境遇の人たちです。
社会の格差を象徴的に描かれた怖いシーンです。

映画を上映している劇場にボーイに変装して侵入していたアーサーと、次期ゴッサム市長立候補を表明している、後にバットマンになるブルース・ウェインの父親であるトーマス・ウェインとアーサーの対面シーンがあり、アーサーは、心身ともに傷めつけられます。


「JOKER」では、上映シーンは、ありませんでしたが、「モダン・タイムス」にある場面で、チャップリンが、やっと病院から退院した直後に、偶然前を通ったトラックの荷台から、危険防止用に付けていた赤い旗が、トラックから落ちてしまいます。
それに気がついたチャップリンは赤い旗を拾って、トラックの運転手に届けようと追いかけているところに、労働者のデモ隊と偶然にも、合流してしまいます。
チャップリンは赤い旗を持っていますので、デモの先導者と間違われてしまうというエピソードがあります。
笑えますが、怖いシーンで印象的です。

JOKERも、同じじゃなかったですか?
アーサーの偶発的な事件が、本人の意思とは関係なく、暴動の先導者になっていくクライマックスシーン


思えば、「JOKER」が公開された2019年10月には、まだ、コロナは、発生していますせんでした。(その年の12月発生)

今も続いている戦争も、まだ起きていませんでした。

前アメリカ大統領の支持者が、議事堂に侵入する事件もありませんでした。

前作「JOKER」から、続編までのわずかな、期間に世界は、想像もしていなかった歴史的な事件が、次々と起きています。

「JOKER」が描いた混沌とした世界が、今回、観直して、映画以上な現実になっている異常な怖さを感じました。

でも、続編、楽しみですね。