昭和の頃の情報源は、雑誌とやはりテレビですね。でも映画劇場は毎晩あるのに最新の映画情報番組は、ほとんどなかった気がする。その貴重な番組が「11PM」だったんですよ。今なら夜の11時なんて普通に起きているけど、当時の11時は大人の時間だし「11PM」は大人の番組の代名詞だった。でも今から思うと本当に大人の番組だったなあと思う。月曜日と金曜日の司会は、大橋巨泉さんで毎週金曜日に最新の映画紹介のコーナーがあったんです。その映画のセレクトがいいんですよ。当時は土曜日は学校が半ドンであったから眠かったけど、本当に楽しみだった。
あと半年ごとの月曜日に、これも巨泉さんだったけど、番組全部の時間を最新映画の特集があったんですよ。だいたい時期が決まっていたから、朝刊の番組欄の「11PM」をチェックして、見つけると本当に夜が楽しみだったから、1日中頭から離れなくて、余計に学校の授業なんかうわの空なんですよ。毎回その特集の担当は、今野雄二さんで、巨泉さんは、コンちゃんて呼んで、とても親しい感じで雑談のような映画の紹介が、本当に楽しかったですよ。また普通なら映画紹介の映像は、予告編を流すのが定番ですよね。でも、この特集は違うんですよ。ある映画のワンシーンを編集なしで数分見せてくれるんですよ。それも見せ場でもない普通のワンシーン。でも、いいところで終わるんですよ。子供ながらにもセンスがいいなあと思いましたよ。そして巨泉さんも気になってコンちゃんとの雑談が始まるんです。
また今野雄二さんの話しが、マニアックな話しなんですね。映画会社に全く忖度してないんですよ。
確か番組の発言である映画会社から試写会によばれなくなったって言ってた覚えがあるなあ。
「スター・ウォーズ」の映像を初めて見たのも、この特集じゃなかったかな。話しの中でアメリカで記録的な大ヒットしている映画の話題で、まだ日本での公開が決まっていなくて原題の「STARWARS」として紹介していて巨泉さんがなんで「WARS」って星の戦争が複数になってるの?て話していて初めて「WAR」の意味が戦争と覚えたんだよね。
そしたら今野雄二さんが、星の戦争の長い物語でシリーズになるんです。って淡々と話してくれたんだよね。