公開時にはヒットもしなくて批評的にも悪く失敗作と言われていた映画が年月を経て再評価されカルト的な作品があります。
その代表的な作品がリドリー・スコット監督の「ブレードランナー」(1982年)ですね。
(私は公開時に普通に好きな作品で当時の映画館は入替がなかったので2回観ました。さらに地方では「燃えよドラゴン」のリバイバル同時上映という豪華さでした)
今回の作品も最近になって再評価されているウィリアム・フリードキン監督の「恐怖の報酬」です。

初めて日本劇場公開されたのは私が高校生の時でした。
雑誌「ロードショー」などで知っていたので観たかったのですが映画館のない田舎町に住んでいたこともあり観ることはありませんでした。
当時のポスターは⬇️
懐かしいですね。
チラシだけは友人に当時もらい今も大切に保管しています。
でも当時から 公開されている映画は題名だけは知っていた同名の有名なフランス映画「恐怖の報酬」のリメイクであることは知っていました。
いつ頃だったか、日本で公開された「恐怖の報酬」は上映時間が短くなっていることは なぜか知っていました。
すっかり本作のことは忘れていた2018年に突然のリバイバル上映のニュースには驚きました。
それも【オリジナル完全版】ということです。
観たい!楽しみ!と公開を待っていたのですが、かなりの限定公開で近くの劇場では上映がなく、公開している劇場は、かなりの遠距離でしたが行こうかと本当に迷いましたが結局あきらめたんです。
それから またかなりの年数が経ち


☝️の【あらすじ】では いきなり石油採掘場の爆発 とニトログリセリンをトラックで運ぶ話としましたが、実は この理由ありな4人の男たちが、どうして中南米の村にたどり着いたのかをの物語が一人一人丁寧に描かれるエピソードが冒頭なんです。


今回 なぜ「恐怖の報酬」を見たくなった きっかけがあったんです。
今回DVDでは ありましたが初めて観ることができました【オリジナル完全版】
感想は期待どおり それ以上に楽しめました。
そして やはり大きなスクリーンで観る映画だなと思いましたね。
製作 ウィリアム・フリードキン
脚色 ウォロン・グリーン
原作 ジョルジュ・アルノー
監督 ウィリアム・フリードキン
撮影 ジョン・M・スティーブンス
ディック・ブッシュ
音楽 タンジェリン・ドリーム
編集 バド・スミス
【キャスト】
ロイ・シャイダー
ブルーノ・クレメル
フランシスコ・ラバル
アミドゥ
アメリカ 1977年
上映時間∶121分
※オリジナル完全版
配給 コピアポア・フィルム
中南米の 森深い場所にあるの石油採掘場で爆弾により破壊されてしまいます。炎上は止まず石油会社はニトログリセリンで鎮火させることを考えます。
ヘリコプター🚁によりニトログリセリンを運ぶことも少しの衝撃💥でニトログリセリンが爆発することから不可能です。
やむなくトラックで300キロ奥のジャングルを運ぶ方法しかありません。
高度な運転技術が必要であり生命の危険がある仕事になるため、会社は高額の報酬を提示して運転手を募集します。
結果、4人の男が選ばれます。
この4人は 自分たちの祖国での犯罪で この中南米の村に逃げ隠れ最低の環境で暮らしています。
何とか 村から国外に脱出するために 高額な航空券とパスポートの報酬のために危険な運転手に応募したのです。
男たちは廃車となっていた2台のトラック🚛を修理と改造してニトログリセリンの衝撃を防ぐため おが屑で荷台に固定し、2人組2台のトラックで300キロのジャングル旅に出発します・・・


また男たちが自分たちが乗るトラックを多くの廃車から選び修理と改造するシーンも丁寧に描かれているんです。
ナレーションも字幕もなく、画面のシーンは激しいのですが静かに淡々と描かれていきます。
これだけで およそ30分くらい あったのではないでしょうか。

なので対極にある本作「恐怖の報酬」を若い人が観たら 退屈🥱なんでしょうね。
アメコミ映画に否定的なスコセッシ監督やコッポラ監督と同世代のフリードキン監督ですからね。
私世代は こういう映画の語りで育っているので、やはり最近のテンポの速い映画には ついて行けません。

今年 公開のスペイン映画「シラート」を観たからなんです。
(「シラート」も私 話をしているので こちらも読んでみてください🙏)
「シラート」はジャングルから一転 ひたすら砂漠を 自動車と大きなトラックで ただただ あてのないまた崖の道を走る緊張感のある映画でした。
私は「シラート」を観ていて、ずっと「恐怖の報酬」を思い出していました。(当時は「恐怖の報酬」未見でしたけど)それは ただ危険な道をトラックで走るということだけではなくて「シラート」全編に流れる音楽も 「恐怖の報酬」に似ているんです。普通のサントラとは違って轟音なところです。
「恐怖の報酬」のサントラは昔から よく耳にしていて知っていたんです。(おそらく聞かれると知っていると思います)
テレビのサバイバルや犯罪のドキュメンタリー番組で よく流れていたのが「恐怖の報酬」のサントラでした。一度聞くと忘れられない曲なんです。
フリードキン監督は「恐怖の報酬」の前作「エクソシスト」(1973年)のテーマ曲も印象的で やはり一度聞くと忘れられない曲でしたね。(サントラ用ではなくて既成曲を使用)
たまたま 続けて「恐怖の報酬」を思い出すことになり無性に見たくなったというわけなんです。
最近の映画は2時間半くらいの映画が多いので、2時間は短い印象ですよね。
で最初に日本で公開された上映時間は92分だったそうです。
ほとんど30分短縮は 大きいですよね。
では いったい、どのシーンを短くしたのかを調べてみたんです。
ただ4人の素性がわからないといけないので、編集で回想形式で挿入されていたとか。
またトラックの修理改造シーンも短くなっていたようです。
どちらも私が面白かったと話した前半がカットされたようです。
そうすると やはり ほぼ30分ですものね。
ただ問題なのは、この短縮版を監督のフリードキンに無断で行われたそうで結局、北米以外の日本を含む海外版は この短縮版で公開されて批評的にも厳しい結果になってしまったようなんです。
海外版はフランス映画のリメイク作品であることをわかるように同じ「恐怖の報酬」なんですが、アメリカ版は☝️のように『SORCERER』です。
意味は『魔術師』だそうです。
たしかに このタイトルでは 物語が 全く想像できませんね。
ヒットしなかった理由にもなっているということで海外版は、わかりやすく「恐怖の報酬」にしたとか。
フリードキン監督は前作が「エクソシスト」だったので『魔術師』のタイトルで これもオカルト映画と思われたとも。
それは「恐怖の報酬」の公開が「スター・ウォーズ」の公開日から ちょうど一ヶ月目だったそうで、当時「スター・ウォーズ」は記録的な大ヒットの最中で 最新の特撮と冒険活劇映画に観客が流れれてしまったらしいのです。
最初に話した「ブレードランナー」もスピルバーグ監督の「E.T.」(1982年)の大ヒット最中での公開だったことが注目されずヒットしなかった理由と言われているので2作品は共通しています。
たしかに今回「恐怖の報酬」を観ていてコッポラ監督の「地獄の黙示録」を思い出していました。
爆発も吊り橋のもトラックも特撮ではなくて本当に撮影している迫力がありました。
そして 人間のドラマが 丁寧に描かれているんです。
最後に オリジナル版と短縮版との最大の違いはラストシーンが違うそうなんです。
たしかに 冒頭のドラマ部分をカットしたらラストシーンにつながらないと思いました。
それはそれで 見比べてみたい気がします。
ハッピーエンドの「恐怖の報酬」を

















