ロブ・ライナー監督の突然の訃報のニュースは、たいへんショックでした。



(⬆️は、マーティン・スコセッシ監督「ウルフ・オブ・ウォールストリート」(2013年)に俳優として出演したロブ・ライナー監督(右))

ロブ・ライナー監督作品は、1980年代に集中的に公開されて、どの作品もヒットして話題作ばかりでした。
それらは、現在も古くならず人気な作品ばかりです。
当時、私は20代で、映画を年間100本以上を観ていた頃です。
当然ながら、配信どころか、ビデオレンタルもなく、映画館で観ていました。

ロブ・ライナー監督の初めて観た作品は、「シュア・シング」(1985年)でした。


この作品は、監督2作目だそうですが、デビュー作が日本未公開だったので、日本公開作品としては、初めての作品になりました。

この作品は、公開時も現在も、あまり知られていないのですが、実は、私も偶然観た映画だったんです。
当時、私は、社会人になって最初の赴任先であった静岡市の映画館に時間さえあれば、出かけていたのですが、映画館が運営するシネマクラブがあったんです。
今のように簡単に情報を得られない頃だったですからね。シネマクラブからの会報誌が貴重な情報源だったんです。
また、四半期に一度、シネマクラブ会員限定で、静岡市の劇場公開を見送った映画を、1回だけの上映するという会があったんです。
覆面上映会と言って、上映される映画は、事前に何も知らされていないんです。
上映されて初めて知る映画なんです。
それが、面白い作品がセレクトされていましたね。
その上映会に初めて参加して観た作品が「シュア・シング」だったんです。
(他には、ロバート・ゼメキス監督のデビュー作「抱きしめたい」(1978年 日本公開は1982年)トニー・リチャードソン監督「ホテル・ニューハンプシャー」(1984年)とかありました)


さて、「シュア・シング」の話を少しだけ
出演は、ジョン・キューザック 
ダフネ・ズニーカ
上映時間 95分

アメリカ東部の大学生ウォルター(ジョン・キューザック)は、女子学生アリソン(ダフネ・ズニーカ)に一目惚れして、近づきますが、失恋💔してしまいます。
そんな時、西海岸の大学に通う同級生から、こっちは、シュア・シング(簡単にOKする女の子と言う意味らしいです)が、いっぱいいるという手紙が届き、クリスマス休暇に西海岸へ向かうことにします。
そして、出発の日、事前に予約していたヒッチハイクの車に乗ると、アリソンもいます。
彼女は、恋人に会いに行くのが目的です。
2人は、車の中で、ケンカを始めてしまい、車から降ろされてしまいます。
やむなく、2人は、いっしょに西海岸に向かうことになり、なんとか西海岸に到着して、それぞれの目的で別れたのですが、偶然、パーティーで鉢合わせになり・・・

いかにもの青春ロードムービーですね。
また、久しぶりに観たくなりました。
この物語、後年のロブ・ライナー監督の代表作「恋人たちの予感」(1989年)の前日談のようですね。


この作品、アメリカでも日本でも、大ヒットしました。
もちろん、私も観に行きました。
お正月映画だったんですが、同時上映作品として、ロングラン上映されて、私、結局、3回観ました。


主演は、ビリー・クリスタルとメグ・ライアンでした。
その後、メグ・ライアンの作品が次から次と公開されました。
私も大ファンでした。

製作順が前後しますが、ロブ・ライナー監督の作品として、忘れてはいけないのが、「スタンド・バイ・ミー」(1986年)ですね~
(キネマ旬報ベストテン第5位)



名曲「スタンド・バイ・ミー」が、テーマ曲になっていて、今では、映画と曲がセットになっていますね。
原作は、スティーブン・キングですが、いつもの怖い作品ではなくて、少年たちの小冒険の話でした。
何とも、自分自身の子供時代を思い出すような、懐かしい気持ちになる映画でした。
主演のリバー・フェニックスは、人気絶頂期で、突然亡くなってしまい、たいへんショックでした。
(弟は、ホアキン・フェニックスですね)

また、同じスティーブン・キングが原作で「ミザリー」(1990年)もありました。


こちらは、いつものキング作品でホラー映画でしたが、超常現象の恐怖ではなくて、観ていて、痛い!映画でしたね。
身近な恐怖、人間の怖さが描かれていました。
主演は、ジェームズ・カーン
キャシー・ベイツ(この作品でアカデミー主演女優賞受賞)

そして、アカデミー賞作品賞にノミネートされた「ア・フュー・グッドメン」(1992年)も忘れられませんね。


主演は、トム・クルーズ  デミ・ムーア  (この2人とも昭和37年生まれです。当時30歳、私も30歳、若かったですね)そして、名優ジャック・ニコルソンでした。
元は、舞台劇だそうですが、裁判ものでも、異色の軍事法廷ものサスペンスでした。
特殊な組織内の緊張感ある展開となんと言っても、ジャック・ニコルソンの上官の圧が怖かったです。


こうして、ロブ・ライナー監督作品を振り返ると、ジャンルの幅がありますよね。どれもエンターテイメント作品です。
そして、青春ロードムービーもラブコメも、ホラーも、サスペンスも普遍的な人生のドラマを描いている作品ばかりなので、全然、古くならないんですよね。
どれも好きな作品ばかりです。
今から思えば、80年代は、いい作品が多いですね。映画ファンにとって、幸せな時代でした。


最近のロブ・ライナー監督作品は、観ることは、なかったので、機会をみて、観たいと思います。
80年代の作品も映画館で観たきりなので、また、楽しみたいと思います。

ロブ・ライナー監督
ありがとうございました。
ご冥福をお祈りいたします。