†漆黒の腐敗臭~ブラックアロマブラック~in the dark† -4ページ目

†漆黒の腐敗臭~ブラックアロマブラック~in the dark†

神様って思わず僕は、叫んでいた・・・

今日、我が友より、いとすばらしき写真をいただいた。

その視点と、僕が臨んだ始点が交差するとき、世界は色彩に包まれた。

その刹那、堕天死が再び産声をあげる・・・。


「世界のインターセクション」 堕天死アポカリプス


世界の交差点。それを意識することはあまりないだろう。

だけどヒトは、生きているだけで様々な交差点にさしかかるのだ。



夏の陽炎が立ち上るスクランブル交差点。

僕は其処にただ立ち尽くすだけだった。

横断歩道ですれ違うヒト。

それぞれの世界を想像すると、気が狂いそうになる・・・。


頭上では、モノレールがたくさんの命を乗せて蒼空を散歩していた。

決められた道を通るだけだが、千葉駅では路線が分岐する。

そこでヒトは路線変更することができる。


いつもならモノレールに乗って帰路につく僕だったのだけれど、

気分転換に歩いて帰ることにした。


下から見上げる世界。

そこでは街の灯が暖かかった。

住宅街では、玄関で子供が花火をしてはしゃいでいる。

花火の光と玄関の灯りが交差する。

それを眺める老婆の表情が、深く印象に残った。


僕が観測する光景と、その老婆が観る世界は違う・・・。


視覚は、網膜の受容体に存在するレチナールの分子構造変化が介在して行われる。

視神経を伝わり、脳の視覚野で処理されて初めて、感知することができるのだ。

そして、脳の記憶部位などの様々な連携処理を受けて、感情を含めた情景として成立するのだ。


だから僕と老婆が観る世界は完全に異なる。


でも、老婆の表情を観て、僕の心に生まれた感情は、無色ではなかった。

暖かい赤。

慈愛の紫。

そんな色が混ざり合う交差点は、こんなありふれた場所にもあったのだ。
†漆黒の腐敗臭~ブラックアロマブラック~in the dark†


観測する世界の共通部分(インターセクション)。

だからこそ、世界には彩りが存在する。

視覚的に見ることと、観ることはイコールではなかったのだ。


それに気づくことで、ありふれた中の交差点に至ることができると、僕は思うのだ。


いつもの空を見上げて、あの娘は嘲笑した。だから今日は、私の神棚にささげよう…。

 しなだれるヒマワリが夏の空に掲げる太陽は、幾星霜も冬のそらを彩り続ける、あの恒星のようだ。破裂寸前まで肥大化した赤い星は、この瞬間にも瞬きをしているのだろうか。星の放つ光の波長は、表面温度に反比例する。もはや、青白く命を照らす二人とは相容れない。

 ひび割れた躰から吹き出す鮮血が、生い繁る新緑を塗りつぶす。酸素を失ったヘモグロビンが織りなすレディッシュブラウンの大地は、静脈を遡って山頂までも侵略する。


 
それを捧げる祭壇は、この夏の空では滑稽なのだろうか。だから私は、大地と同化したのだ。