今日はマグネシウムについて

 

ミネラル① ~カルシウム~

ミネラル② ~マグネシウム~

 

~おしながき~

マグネシウムとは

マグネシウムの健康上のメリット

カルシウムとマグネシウムの関係

マグネシウムの摂取方法

 

マグネシウムとは
 マグネシウムとは生体内で約50~60%がリン酸塩や炭酸塩として骨に沈着しています。残りの約40%は筋肉や脳、神経に存在します。カリウムに次いで細胞内液に多く存在しますが、細胞外液には1%未満しか存在しません。生体内では、多くの酵素を活性化して生命維持に必要なさまざまな代謝に関与しています。

マグネシウムの吸収と働き1)
 食品として摂取したマグネシウムの吸収は主に小腸で行われ、腎臓で排泄されます。腸管での吸収はビタミンDによって促進され、過剰のカルシウムやリンによって抑制されます。摂取量が不足すると、腎臓でのマグネシウムの再吸収が促進されたり、骨からマグネシウムが放出されたりすることで、マグネシウムの血中の濃度を一定に保っています。

 マグネシウムは補酵素としてまたは活性中心として300種類以上の酵素の働きを助けていています。エネルギー産生機構に深く関わっており、栄養素の合成・分解過程のほか、遺伝情報の発現や神経伝達などにも関与しています。また、カルシウムと拮抗して筋収縮を制御したり、血管を拡張させて血圧を下げたり、血小板の凝集を抑え血栓を作りにくくしたりする作用もあります。

マグネシウムの1日の摂取基準量1)2)
 日本人の食事摂取基準(2020年版)では、1日のマグネシウムの推奨量を18~29歳男性では340mg、30~64歳男性では370mg、65~74歳男性では350mg、75歳以上の男性では320mgで、18~29歳女性では270mg、30~64歳女性では290mg、65~74歳女性では280mg、75歳以上の女性では260mgと設定しています(表1-1、1-2)。

 通常の食事による過剰障害は報告されていないため、一般的な耐容上限量は設定されていませんが、サプリメントなどの通常の食品以外からの摂取量を成人で1日に350mg(小児の場合は体重1kgあたり5mg)と制限しています(表1-1、1-2)。

 

 

マグネシウムが不足するとどうなるか1)
 マグネシウムが不足した場合には、不整脈が生じやすくなり、慢性的に不足すると虚血性心疾患、動脈硬化症などのリスクが高まります。また、吐き気、精神障害などの症状が現れたり、テタニー(筋肉の痙攣)を起こしやすくなったりします。さらに、近年、長期的なマグネシウムの不足が、骨粗鬆症、心疾患、糖尿病、高血圧などの生活習慣病のリスクを高める可能性が示唆されており、今後さらに研究が進められることが期待されます。

マグネシウムの過剰摂取の影響
 マグネシウムを摂り過ぎた場合は、過剰分は尿中に排泄されるので通常の食事では過剰症になることはありません。しかし、腎機能が低下している場合には高マグネシウム血症が生じやすくなり、血圧低下、吐き気、心電図異常などの症状が現れます。また、ダイエットや便秘などに効果があるといって摂取されている「にがり」(主成分は塩化マグネシウム)やサプリメントなど、通常の食事以外でマグネシウムを過剰に摂取すると、下痢を起こすことがあります。

マグネシウムを多く含む食品3)
 マグネシウムは、藻類、魚介類、穀類、野菜類、豆類などに多く含まれています。

 一般的な食品スーパーなど身近なところで購入できる食品で、調理しやすく、日常的に摂取しやすい食品からマグネシウムを多く含む食品を表2から表6にまとめました。

 

 

1.マグネシウムとは
マグネシウムは、古代ギリシアのマグネシアという地域で採掘されたことから、その名前が付けられました。

体内で起こる300種類以上もの酵素反応やエネルギー産生をサポートするミネラルで、カルシウムとの関係性も深いため、骨や歯の形成にも欠かせません。人間の体内に存在するマグネシウムは約25gで、そのうち50~60%は骨に分布しています。

2.マグネシウムのおもな働き
マグネシウムは血清中に1.8~2.3 mg/dLの濃度で維持され、体のさまざまな機能に利用される物質です。ここでは、マグネシウムの具体的な働きを解説します。

2-1.補酵素として機能する
酵素は体内でのさまざまな反応に関与しています。マグネシウムは300種類以上の酵素反応において補酵素として働いています。そのため、マグネシウムが不足すると体内の酵素反応がスムーズに行なわれず、健康を損なう可能性があるでしょう。

2-2.骨の弾性維持
骨は、カルシウムだけでなく、マグネシウムやリンなどによっても構成されています。マグネシウムは、骨の弾性や密度の維持に関与しているため、不足すると骨折などのリスクが高まるでしょう。

2-3.ホルモンバランスを維持する
マグネシウムは、ホルモン分泌を促す働きがあります。例えば、骨の代謝を制御する副甲状腺ホルモンの濃度が適正であることは、骨量の減少を抑え、骨の健康維持に役立ちます。

2-4.筋肉を動かす
筋肉は収縮したり、弛緩したりすることで動くもので、マグネシウムには筋肉を収縮させる働きがあります。

 

 

3-1.マグネシウムの過剰摂取について

マグネシウムは、通常の食事では過剰摂取を起こしづらいとされています。マグネシウムのサプリメントなどを過剰摂取した場合は、腸からの吸収が抑えられ下痢や軟便になりますが、この作用を活かして便秘に対する医薬品として用いられることも珍しくありません。

もし、マグネシウムが体内に過剰に吸収された場合でも、尿と一緒に排泄されるので下痢・軟便以外の症状が起こることはほぼないでしょう。

しかし、腎機能が低下している場合には体内からマグネシウムをうまく排泄できない可能性があります。

 

 

4.マグネシウムを含む食品

マグネシウムは、さまざまな食品に含まれています。ここでは、マグネシウムが豊富に含まれる食品を、植物性食品と動物性食品に分けて紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

 

4-1.植物性食品

食品名 1食あたりの重量(g) マグネシウム含有量(mg)
1食あたり 100gあたり
絹ごし豆腐 150 75 50
そば(ゆで) 200 54 27
アーモンド(フライ味付け) 15 41 270
ほうれん草 (ゆで) 80 32 40
バナナ 100 32 32

(文部科学省「食品成分データベース」をもとに作成)

 

 

4-2.動物性食品

食品名 1食あたりの重量(g) マグネシウム含有量(mg)
1食あたり 100gあたり
ほたてがい 100 59 59
かつお (生) 80 34 42
くろまぐろ(赤身) 70 32 45
するめいか 60 28 46
さば缶詰(みそ煮) 90 26 29

(文部科学省「食品成分データベース」をもとに作成)

 

 

体内の健康維持に重要なマグネシウム

マグネシウムは骨を構成する成分の一つであるため、不足すると骨折のリスクが高まります。また、体内で起こる代謝反応やエネルギー産生の補酵素としても働いており、神経伝達や筋肉収縮、ホルモン分泌などにも影響を与える物質です。

マグネシウムは、幅広い食品に含まれるため、通常の食生活ではマグネシウム欠乏による症状がみられることはほとんどありません。

マグネシウムは、体内の健康を維持するために重要な役割を果たしていますので、日ごろの食生活から意識してみるのもいかがでしょうか。

https://www.suntory-kenko.com/column2/article/1049/

 

 

マグネシウムの健康上のメリット
①心臓の健康を守る

デイリー博士いわく、マグネシウムには心拍リズムを調整したり、血圧を健康に維持する働きがある。ご存知の通り、高血圧は心臓発作や脳卒中など、心臓病や循環器疾患、腎障害など、あらゆる疾患に関連している。

心疾患(LDL(悪玉)コレステロール、HDL(善玉)コレステロール、血圧値など)に対してマグネシウムの働きを調査した科学的レビューでは、マグネシウムが不足している人に有効であることが示された。

②生理痛を和らげる
もちろん、マグネシウムが生理痛の症状を和らげる特効薬となるわけではないけれど、複数の予備研究では、マグネシウムをビタミンB12と組み合わせて摂取することでPMSの症状を軽減できる可能性が示唆されている。

③ワークアウトの質が向上する
筋肉機能にも重要な役割を担うマグネシウムは、筋痙攣の予防やトレーニングの強化にも関連付けられている。アメリカ版ウィメンズヘルスによると、2,500人以上の女性を対象に行われた研究では、マグネシウムの摂取量が多い人は少ない人よりも筋肉量と“パワー”に優れていることが明らかになった。

④骨の健康を支える
骨の健康が大事なのはもはや言うまでもないこと。そしてマグネシウムは、骨密度において重要な働きを持つミネラルの一つ。「マグネシウムは骨の形成に不可欠で、骨密度の維持に役立ちます」とデイリー博士。 骨密度が高ければ、骨粗しょう症や骨折のリスクを減らすことができる。

⑤炎症を抑える
マグネシウムには抗炎症作用もあり、体内の炎症を抑えるのに役立つ。慢性的な炎症状態は、将来的に健康上の問題を引き起こす恐れがあることを忘れないでおこう。

⑥不安やうつを軽減する

デイリー博士によると、マグネシウムは気分を調節する神経伝達物質の生成に関わっているため、メンタルヘルスをサポートする栄養素。最近の研究では、マグネシウムを補うことで不安やうつ病の症状を改善することが示されている。

⑦血糖値を調節する
「マグネシウムは、体がインスリンをより効率的に使えるようにサポートする働きがあるため、血糖値の調節を助けてくれます」とデイリー博士。

⑧睡眠の質を改善する

マグネシウムは睡眠に絶大な効果をもたらしてくれる。副交感神経系を活性化させて心を落ち着かせ、筋肉の弛緩や神経機能にも作用するため、睡眠の質が向上し、不眠症の症状を軽減するのにも有効であるとのこと。

⑨胃酸の逆流や胸焼けを緩和する
デイリー博士によると、水酸化イオンや炭酸イオンとマグネシウムを組み合わせると、胃の酸を中和するのに役立ち、胃酸逆流や胸焼けの症状が緩和される。

 

 

カルシウムとマグネシウムの関係

体内のマグネシウムが不足した状態になると、骨の中のマグネシウムと一緒にカルシウムも排出されてしまいます。
また、マグネシウムを過剰摂取してしまった場合もカルシウムの排出量は増大します。
不足しても摂取しすぎてもカルシウムに影響が及ぶため、マグネシウムとカルシウムは非常に密接な関係といえます。

マグネシウムとカルシウムの理想的なバランスは、1対2といわれています。
マグネシウムとカルシウムをバランス良く摂取することで、骨や歯の発育や形成に大きく影響します。
特に、成長期の方はバランス良く摂取しましょう

 

 

 

マグネシウムの摂取方法

では、マグネシウムを摂取するにはどうしたらいいか。
マグネシウムは、3つの方法から摂取することが出来ます。

 ①食事
 ②サプリメント
 ③経皮吸収


マグネシウムを摂取する方法 ①食事

まずは、やはり基本は「食事」。

食事からマグネシウムを摂取するには、「マグネシウムを多く含む食品を意識して摂る」です。

マグネシウムを多く含む食品は
1.穀類(キヌア・そば・きび・全粒粉・玄米等)
未精製の穀物には、豊富なマグネシウムに加えて、食物繊維やビタミンなどの栄養素も多い。デメリットは消化に負担がかかること。腸内環境が悪かったり胃腸が弱い方は割合を減らしたり、よく噛んで食べる必要があります。

2.豆類(きなこ・大豆・納豆・豆腐・がんも・味噌等)
豆類や豆製品はマグネシウムが多く、食事にも使いやすい食品です。
豆腐は、製造過程で使用するにがりにもマグネシウムが含まれています。

3.種実類(ごま・アーモンド・ひまわりの種など)
食事や間食により入れやすいゴマやアーモンドなどを意識して摂取されるとこまめなマグネシウム補給よして利用しやすいです。
ごまは、カルシウムの含有量も多く、おススメです。

 4.海藻類(あおさ・ひじき・海苔・わかめ・昆布等)
海藻類は乾物のものも多く、常備しやすい食品です。
あおさや昆布はカルシウム含有量も多くお味噌汁や和え物など手軽にに使えます。

 5.その他(野菜・果物・キノコ類・イモ類)
 上記の食品ほど多くは含んでいませんが、毎日の食事に取り入れやすい野菜や果物、キノコ類、芋類にも含まれており、意識して毎日取り入れるだけでも摂取量が上がります。

・野菜・果物類(ほうれん草・枝豆・落花生・アボガド・バナナ)
・キノコ類(乾燥きくらげ/干しシイタケ/椎茸/えのきたけ)
・イモ類(さつまいも/じゃがいも/里芋/長芋)


 マグネシウムを摂取する方法 ②サプリメント

食事が多く食べられない方、食事だけでは摂取が追い付かない方は、サプリメントを活用するのも一つの方法です。

サプリメントは、固形のものから液状タイプの物まで様々です。ご自身のライフスタイルや身体の状態に応じて選ぶと継続しやすいです。

サプリメントはなにか抵抗がある。自然のもので摂取したい方には「にがり」がおススメ。

にがりは、海水からとれる塩化マグネシウムを主成分とする食品添加物のこと。お味噌汁などに入れ10-20滴/日を目安に摂取してみてください。

マグネシウム摂取時の注意点は、自分の適量が分からず慣れていないと下痢や軟便を引き起こしやすい為、初めての場合は、ぜひ少量からスタートしてみてください。

 

 

マグネシウムを摂取する方法 ③経皮吸収

マグネシウムは皮膚からも吸収されます。

そのため、「サプリメントを増やしたくない!」「なるべく生活の中で取り入れたい!」方におススメの方法。

クリームの使用:マグネシウムを含むクリームを身体に塗る
入浴剤の使用:エプソムソルトなどの入浴剤を使用する
 

これらのものを使用し、マグネシウムを摂取する方法もあります。

 

 

 

 

今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。

次回もお楽しみにチョキ

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